ヤドクガエルの飼育日誌 vol.01 [1998年12月21日〜12月29日]




ビバリウム用に改造した90×45×45cmのアクリル水槽。

12月21日(月)
 やっと引っ越しが終りそうである。
 この度、蛙も数が増えてきたのでまとめさせてもらう事にした。種別になにか起こればトピックスという形で取り上げていくスタイルを取ろうと考えている。これにより、D.ventrimaculatusの観察記録も復活することにした。
 現在は、まだ矢毒のビバリウム、および飼育状況が混沌としているので無理には整理をつけないが、以後、それぞれの飼育状況がクリアーになり次第、このページ内で種別に順を追って記録していこうと思う。
 以後、ヤドクガエルの飼育日誌として末永くおつき合いいただきたい。




……で、完成。

●ケージサイズ:90cm×45cm×45cm
 今回、研究室の引っ越しにともない、大き目のビバリウムを組んでみた。ケージサイズはD.auratusのページで紹介した瀬山さんのビバリウムと比べると、てんでお話にならないサイズではあるが、制作者本人は大変満足している。
 このケージにはちょっと凝った改造を施し、換気と世話のし易さ、ハエ・コオロギの脱走防止に留意した造りとなっている。とはいえ、まだ実際には蛙が入っておらず、その改造が成功しているのか否かは未判別である。ビバリウムそのものシステムとしては、D.ventri.、D.leuco.でやっているのと同様で、少々大きいと言うだけの事であるが。


ちょっとうそ臭い合成写真。UPで撮った2枚を組み合わせてみました。

 このビバリウムケージについて、詳しくはこちらを見られたい。→「ビバリウム用にアクリル水槽を改造する(仮)」
 この前Wild SkyでD.auratusを売約した際に、アナナスとチランジアを購入してきたのだが、状況が許さず、先日までそれらをみなひとまとめにして45cm水槽に押し込めておく事しかできずにいた。一番大きなアナナスなどは暖房をきかせた部屋の真ん中で、霧吹きだけで乗り越えてきたので、なんとか早くビバリウムに収容したかったのであるが、のばしのばしのまま3週間も過ぎてしまった。
 それでもなんとかみな枯れること無く無事に済み、90×45のビバリウムに植える事が出来た。
 部屋の明かりの下でごそごそとセットすること4時間半。底面濾過器を置き、ヤシパネルを水槽の高さにあわせてカットして背面にセット。この水槽はオーバーフロー式で使っていたため穴が空いており、そこから底面濾過器に繋がるエアーチューブをケージ外に引き出した。その底面濾過器の上に軽石を平らに敷き、細かい軽石ばかりで底床の基礎部分を作ると目詰まりが激しいので、床材で使用するのとは別に、コブシ大程度の園芸軽石を使用して平坦な地面を隆起させた。
 向かって右側に大き目の流木を倒れないように立て、水場用に大磯、そして陸場部分には赤玉、その上に腐葉土と黒土を混ぜたた土を敷く。最後にヤシガラ土を軽くかぶせて底床部分は終了。


横からの撮影。手前がNeo.red of rio.


赤いアナナス。松園さん曰く、spots and dotsだろうとのことです。

 メインである巨大なアナナスの株を向かって左側に植え、クリプタンサス、チランジアを植える。そして、赤い葉に緑の斑が入った美しいアナナスは、爬虫類倶楽部の店長さんに我がままを言って分けてもらったもので、このビバリウムの目玉である。しかし、どこか地方の大きな観葉植物店で一つだけ見つけたものだそうで、学名も分からないそうだ。それを最後に流木の穴に植え、そして、一息ついてライトを点灯する……。


しつこい?

「ほおぅ〜〜〜……」我ながら声が漏れる。それはきっと植物とか、土とかが自然に持っている力なのだろうと思う。ヒーリング、疲れた身体が精神の側から癒されていく。何度も思うし、書き記すが、ビバリウムとはいいものである。
 このビバリウムにはD.leuco.が暮らす予定なので、予算も底をついたことだし、植物の量を多少セーブしてあとはシェルターを設置しようと思う。
 とりあえずではあるが、D.ventri.のビバリウムに入れる用のクリプタンサスと、ビバリウムでうまく育つかどうか?と言われたグズマニア・アングスティフォリアを鉢植えのままこのビバリウムに入れておく事にした。……他に置場がないのである。散らかってて。


G.angsutiforiaの花(?)。

 そして、なにより嬉しかったのが、ビバリウムセット後、そのG.アングスティフォリアの蕾が少し開き始めている事だった。それをみつけた時、なにか、幼いころに味わった気分、今は思い出せない淡いだけの、感覚だけの気分が胸の中に去来した。その、美しい朱色。魅惑的なサンシャインレッドが、あぁ、ヤバい感じ……こうやって、色んなものにはまっていくものなのである。




久々に、D.ventrimaculatusの雌ガエル。

●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm
 このビバリウムにはD.ventri.とWild Skyで購入したD.auratusが入っている。前回のリセット時に植えたフィットニアとプテリスが順調に新芽を伸ばしている。一番最初に私がセットしたビバリウムではだめだったプテリスであるが、種類によってはビバリウム内でも育つようである。これは、上記の90×45ビバリウムでも育成を試みているので、結果を楽しみにされたい。


今はこんな感じです。

 少し前の事であるが、引っ越しの合間にWild SkyからD.auratusを連れかえってきた。しばらくの間はしょうがないと、やむなくD.ventri.と同居させている訳だが、ある日そのD.auratusが未亡人であるD.ventri.に背中から激しく抱き着かれている事があった。しばらく見ていても、嫌がるD.auratusをD.ventri.は放そうとせず、むしろより力を込めて抱き着いているのである。
 松園・河村両氏にメールで訊ねたところ、繁殖期なれば雌が雄を誘う行為で有り、またもしくはテリトリー争いでもそういった様子が見られると言う事である。
 写真を撮ろうとしたら、さすがにD.ventri.が驚いて離れていってしまった。しかし、別な日にビバリウムを覗いてみても、別段D.ventri.がD.auratusを追い払ったり、また抱き着いたりする様子も見られない。
 はて?と、謎ばかりが増えていくのであるが、もうしばらくするとD.auratusとD.ventri.は分けてしまうので、これ以上の解答は得られない事と思う。残念というべきか???
 D.ventri.雌の肥りっぷりには凄まじいものが有り、はやく雄ガエルを探してやらなければならない……とか、もう4ヵ月以上も言っている。


でっ………………ぷりっ!!


仔ガエルだったカエル。

 大きくなった仔ガエルであるが、親の雌ガエルよりちょっと色が薄いように思う。すでに親ガエルと同居し始めてからかなりの時間が経っているが、時折親ガエルに猛烈に追い払われている事があるので、雌なのかもしれない。




レウコとオウラ。

●ケージサイズ:60cm×36cm×30cm
 このビバリウムにはD.leuco.が4匹と、鶏冠さんのD.auratus3匹、そして我が研究室のD.auratus2匹が狭苦しい思いをしながら暮らしている。
 植えてあるアナナスが育ってきて、あんまり狭すぎるので、今度水槽カバーのようなものを透明のアクリルで製作する予定でいる。これで高さを15cmほどかせごうと言うのである。その際に、なんとか前面を引き戸か何かにして、メンテナンス(特に朝の餌やり)が簡単にできるようにしようと思う。問題は、どうやって水槽と脱着可能なまま、しかしズレたり外れたりしないような機構にするかなのである。……しかしこうやって考えるのはいいのだが、実現不可能と分かって制作途中で断念した、なんだか訳の分からないアクリル板を貼り合わせたオブジェが、研究室にはいくつかある。




デジカメっていいなぁ……アラが見えなくて(笑)。

12月28日(月)
 昨日は、現在レウコとオーラタスのいる60cmと、ヴェントリとオーラタスのいる45cm水槽用の、トキタ式スーパー・アタッチメント作成に没頭していた。これは、切り出したアクリル板で水槽カバーのようなものをつくり、水槽の上にのせるだけで様々な問題を一挙に解決すると言う、夢のようなオプションパーツなのである。
 サイズはそれぞれ、60cm水槽用が64cm(W)×32cm(D)×20cm(H)と、45cm水槽用が47cm(W)×32cm(D)×18cm(H)で、このスーパー・アタッチメントのもっとも大きな利点は、高さが稼げると言う事である。これにより、それぞれの水槽とも20cm増の高さを得た分けであるが、それだけでもう別の水槽のような広さである。
 高さが20cm増えた事により、植物達も蛍光灯の熱と言う脅威から救われることとなり、さらには、もうすこし植え込むことも可能となった。
 もう一つの利点は、前面部分に扉を設けた事による、メンテナンス性の向上である。餌やり、霧吹き、掃除、全てにおいていちいち蓋をあけなくても作業ができると言う快適さは、一度味わったらもう後戻りができないほどの便利さなのである。事実、当初の予定では60cm水槽用しか作らないはずであったものを、60cm水槽用が完成してその利便性の落差に45cm水槽のメンテが億劫でならなくなってしまい、急遽45cm水槽用も製作したぐらいなのである。
 私は毎朝会社に行く前に霧吹きと餌やりを行っていたのだが、1分1秒をあらそう忙しさの中で、蛍光灯をどけ、網蓋を外し、そして事が済んだらまたもとに戻すなんて悠長なことをやっていられなかったのである。餌やりの面倒さのせいで何度会社に遅刻したことか……。まさに必要は発明の母(発明と言うほどの事ではないが)なのである。年明け1999年からは、私の遅刻もぐっと少なくなることであろう。
 しかし、いいことづくめに思えるトキタ式スーパー・アタッチメントであるが、急いで製作したためにかなり不備な点も目立っている。まず、採寸が適当であったために水槽と触れあう部分で隙間が多くできてしまい、超小型および小型の種類には使えないだろうと言うことと、3mmしかないアクリル板が、きっと蛍光灯の熱で曲がってしまうだろうと言うこと、この二点である。
 あともうひとつ付け加えるならば、高さが高くなったぶん蛍光灯を増設しないと、光量不足になりかねないと言うことも挙げられる。
 あとから作った45cm水槽用のほうでは、隙間や反りに考慮したアイデアも盛り込まれているが、まだまだ完璧とは言い難い。隙間については、のちほど埋める予定であるが、どちらにしてもあと何回か作ってみないと解決されないだろうと思う。
 しかしても、この使い勝手の良さ!! 徹夜で苦労して作ったかいがあるというものである。




写真に写っているのは雌ガエル。

●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm
 予定していたヴェントリの雄を、土曜日にハチクラで購入してきた。……いやしかし、雄と断言するのはまだ早く、かといって、雌かもと書くのも気が重い。
 そうなのである、私は雌か雄か分からない個体を買ってきたのである。
 しかし、夏頃から売れ残っているこの一匹、このほっそりした体つきを見たら、「多分、雄だろう……」と思ってしまうのが人間というものだろう。
 観察を初めて二日め、まだ鳴かない……。
 この45cm水槽にはアタッチメントを使用する予定だが、ヴェントリがいるあいだは怖いので、ヴェントリを45×45cm水槽に移してからにしようと思っている。




これだとアラが見えるかな?

●ケージサイズ:60cm×36cm×30cm
 これが、トキタ式スーパーアタッチメントを装着した60cm水槽の勇姿である。
 アタッチメント背面にもヤシパネルをはったので、いずれそこにも植物を植えようと思っている。
 アタッチメント装着2日目の今朝、一匹のレウコが壁面を登っていた。やがてアタッチメントのフチにまで手がかかったが、結局彼はそれ以上登ること無く下のビバリウムに姿を消した。しばらくは気を抜かずに観察せねばなるまい。




G.angsutiforiaの蕾がここまで大きくなりました。

12月29日(火)
 今日から俗世での仕事は年末年始の休みに入り、しばらくは心安らかに暮らすことができる。その少ない休みを有効に利用して、いろいろとやらなければならないことが山積みなのが、今の私、および有毒研究室の現状である。  まぁ、山積みのやらなければならないことというのも、このHPの更新と、生き物達の世話ばかりなので、ほとんどが楽しい作業ではある。……引越しの片付け? ハテ? なんのことやら……。




ビバリウム左側。


右側。


全体。

●ケージサイズ:45cm×45cm×45cm
 今日はやっと45×45×45cm水槽のビバリウムセットが完了した。いつもの底面濾過システムを基礎にしたビバリウムであるので、手早くセットし、おわったらWild Skyにいこうと思っていたのだが、なんだかんだと時間がかかり(タランチュラの脱皮を見守ったり)で、遅くなってしまい、結局Wild Skyにいけない時間になってしまった。
 しかも時間がかかった割には、出来の方までイマイチで、案の定水場はイメージ通りにいかないし、アナナスも全然足りない&植える位置が良くない。


G.Angsutiforiaを鉢から植え替えた。少々心配……。

 ここにはヴェントリが入る予定であるが、3匹のうちうまいこと新しい個体が雄でペアができれば、もう一匹がかなりいじめられる可能性もあるので、植物は多い方がいいだろうと思う。アナナスは明日Wild Skyで買い足そうと思っている。




ろくしんがったぁ〜〜い!!……って、二神じゃぁん!!

●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm(+18cm)
 今は、オーラタスとヴェントリが入っているビバリウムである。トキタ式スーパー・アタッチメント?型の45cm規格水槽用を乗せた状態であるが、いかがなものであろうか?
 新しいヴェントリの個体であるが、期待通りに導入翌日から鳴き始め……なんてことはなく、ぜんぜんビバリウムに慣れずにウロウロと動き回っている。
 デブった未亡人雌ガエルに追い掛け回されているのを発見したが、それが雌の求愛行動なのかどうかは分からない。ただ、どちらにしても新しい個体の方が小さく、若そうなので、もし雄だったとしてもすぐに産卵成功というわけにはいかなそうである。
 しかしこのビバリウム、シェルターがほとんど無いわりに、いったい2匹のオーラタスはどこに隠れているのか?




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