ヤドクガエルの飼育日誌 vol.04 [1999年3月2日〜3月5日]




「食べまっせ〜……」

1999年3月5日(金)
 だいぶ暖かくなってきて、そろそろ春かなぁ〜って雰囲気になってきた。朝も最近はそれほど起きるのに時間がかからなくなり、蛙の様子を見る時間が多少(5分ほど)増えた。
 ただ、下手に見ている時間ができてしまうと今度は離れるのが惜しくなり、布団から出られないのと同じように飼育部屋から出られず、あわや遅刻という時間まで腰が上がらなくなる。
 この一瞬がみられるなら遅刻なんてちっぽけなこと……と、私の精神世界内の倫理天秤が「蛙を見ている方」に傾くという訳である。まぁ、見ているのは無論蛙だけじゃないのだけれど、それにしてもやはり目が離せないのは蛙たちである。
 前回報告した通り、プミリオを導入した我が研究室であるが、それと同時にライムグリーンマンテラMantera sp.と、チリアンステルツナーガエル、リードフロッグも購入した。いろいろ検討した結果、マンテラとステルツナーはこのページで飼育記録を公開していこうと思う。リードフロッグに関しては、「R.A. republic」の方をご覧いただきたい。




ココが問題の洞。好物件。

●ケージサイズ:90cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.leucomelas×4匹

 レウコがまた鳴き始めた。ただ、私がペアだと見定めた2匹は、まるで別々の場所にいるので、ペアになった訳ではないようだ。もしかしたら、小さな個体がお気に入りの流木の洞を別の個体に乗っ取られただけなのかもしれない。それだとしたら、あまりに可哀相だし、「ペアになった!!」と喜んだ私の思いもバカバカしい勘違いであったといわねばなるまい。
 まぁ、そんな勘違いもまた鳴き始めたのであれば、さしたる問題ではない。
 どの個体もでっぷりと太っていて、外見からはオスメスの区別はつかないように見える。しかし、その色にはかなりの個体差があり、オレンジの濃いもの、普通の黄色のものと様々だ。できれば色の濃い個体をかけ合わせていきたいものだが、個体数が4匹の現状では望みようがない。




カエルはどこにいるのでしょう???

●ケージサイズ:45cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.ventrimaculatus×2匹

 結局、オタマになった最後の生き残りも溶け崩れてしまった。なにが悪いの解らないが、今後は卵を取り出さずにおこうと思う。
 雄と雌は相変わらずケンカ中なのか一緒の葉腋にいることはない。そういえば、最近雌の姿を見かけない。卵が体内にできるまで、雄には近づかないのだろうか??? 小型のシクリッドなどでは良くあることなのだが。
 最近考えているのは、矢毒ガエルにペア性はあるのか? ということである。観察していると、ペア性が強そうに見えることもあるし、全然ないように見える時もある。ペアで卵を世話したりするという話もあるが、世話するのは雄だけで、鳴いて雌を呼び餌用の卵を産ませる場合も、絶対にこの雌!! とは限った話ではないのかもしれない。
 長く飼育を継続し、数多いペアをキープすればこの辺も明らかになるだろう。そう、たとえば20年、30年と続ければ。




こんな風に登ります。


●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm(+18cm)
 収容している蛙:D.pumilio×3匹

 まだビバリウムにおちつかず、やたらとウロウロしている。
 河村さんに聞いた話では、プミリオは闘争心が強いので、もっと大きなケージに収容した方が安全だということだった。
 確かにそうかもしれない。先日死んでしまったベントリの雌も、実は娘ガエルに殺されたのかもしれないのだ。それぐらい、テリトリー意識があるのか、それともやはりビバリウムなんて狭すぎるのだろうか??? 一辺45cmの立方体、こんな小さな空間ではペアでさえ関係が危ういということなんだろうと思う。
 ので、一応、研究室内で配置替えを行い、なんとか水槽をひとつ空けてそれをプミリオ用に改造しようと思う。今度は水槽の改造も3回目であるから、なんとか前よりはましなものを製作できると思う。
 プミリオの方は、なんだか餌食いが悪いように思うが、まだ落ち着いていないのだろうと、あまり世話をやき過ぎないようしばらく観察してみることにした。
 しかしそれにしても、実際に手にしてみて解ったことだが、河村さんや玉水さんのプミリオは凄い。どうやったらあんな女峰みたいな体型にできるのだろうか??? うちのこの貧相なプミリオもやがては太るのか? 本当に見れば見るほど自信がなくなり、心配になる。
 そして更に今朝、餌をやろうとビバリウムを覗くと、なんと2匹が同じ葉腋に入っているではないか?!
 コレには驚かされた。おもわず「産卵」の2文字が頭に浮かんで脳裏に焼き付くが、しかしレウコの例もあり、単純にビバリウム内の良い場所を取り合いしているのかもしれない。
 だが一応はこの2匹、雄と雌であろうと目星を付けた個体である。3匹のうち2匹は雌、そして痩せてる1匹は雄と判断して、ハチクラの渡辺さんの勧めもあり、決断して購入の際に痩せてる個体を1匹混ぜたのだ。
 それがうまい具合に、痩せている個体が太っている個体の上に重なるようにして葉腋に入っているのである。
 あぁ、また希望的な観測を……。
 しかし、しかしである。もともと同じアナナスの別の葉腋にいたもう1匹の雌が、2匹が同じ葉腋に入ったその日の朝から、うろうろと辺りを探り歩いているのだ。もう、状況証拠は全部揃って、あとは自白させるか、物的証拠をみつけるかのどちらかという状況ではないか!?
 鳴くか、卵か、さて、どちらが出てくるのか……それとも出ないのか???
 こんなことを書いておいて、今夜我が家に帰ったらもう別々の場所、なんてことはしょっちゅうであるから、今はまぁ、期待しつつ、諦めつつ、といった心境である。
 しかし、トリオで飼って2匹がペアになったのだとしたら、それはまるでベントリと同じ状況であるから、早目にケージを大きくするか、雌と思われる残りの1匹を別に分けなくてはならない。
 今度の土日、仕事にならないと良いけど……。




オーラタスのビバリウム。その現状。


●ケージサイズ:60cm×36cm×30cm(+18cm)
 収容している蛙:D.auratus×4匹

 あいかわらず隠れっぱである。姿が見えない。餌をやっても出てこない。……なぜだろう???
 しかし、考えても解らないものはしょうがない。
 出てこなくても毎日餌をやり、霧を吹き、様子を見る。そして時々、ほんの時々姿が見える彼らを楽しむ。……それもまぁ、おつなものである。
 時々しか見られない彼らであるが、ずいぶん逞しく、大きくなってきた。
 良く見ると、個体によって色の差があるのが解る。グリーンの濃いものや、その緑色がネオンのように輝いて見えるもの、ちょっと渋い色合いのもの、一度並んでみせて欲しいものだが、それはかなわぬ夢なのだ。まぁ、それももう慣れたのでいいけど。




2匹じゃないんです。1匹でこんなに色が変わるんです。(写真はリードフロッグ)


●ケージサイズ:36cm規格水槽
 収容している蛙:Mantera sp.×2匹 リードフロッグ×1匹

 実は、かなり長いあいだ欲しくて欲しくていたマンテラである。毎週ハチクラに行く度、「売れちゃいないか、売約になったらどうしよう?」と不安でたまらなかったこのマンテラ。こいつらもやはり「ついに」手に入れたマンテラなのである。
 明るいライムグリーンの体色、内腿に隠された目の覚めるようなショッキングピンクのフラッシュマーク。このフラッシュマークが、私の心にずっと焼き付いていた。
 実際に飼育を開始してみると、ハエは嫌いなのかあまり食べない。……困った。SSコオロギ、キープしなくてはならないのか??? SSコオロギが必要なリードフロッグも、ステルツナーもいるし。




横顔。凛々しい(笑)。


●ケージサイズ:30cm規格水槽
 収容している蛙:Melanophryniscus noelensis×2匹

 この蛙は、この小ささでヒキガエルの仲間である。目立った毒腺はないものの、きっと毒を出しているだろうということで、この有毒研究室で飼育日誌を公開するものである。
 いずれは飼育日誌の対象外にするかもしれないが、しばらくは彼らの様子を報告しようと思う。
 彼らもマンテラと同じで、ハエよりはコオロギが好みのようで、ハエがくると逃げてしまったりする。飛び上がるものより、地を這うものの方が餌として認識されやすいようだ。
 体色は、クロヒキガエルと呼ばれるステルツナーガエルMelanophryniscus stelzneriとは明らかにことなり、こちらのチリアンステルツナーの方が、よりヒキガエルらしいと私は思っている。イエローベージュにダークグリーンを塗りたくり、赤とコゲ茶色のスポットを無数に散らしたような複雑な柄がかなり魅力的だ。
 ビバリウム自体は、オビトカゲモドキ用のものからの流用なので、植物は少なく、彼らには大きすぎるシェルターがあるだけなのだが、よくそのシェルターに潜んでいる様子が観察できる。
 一応、ハチクラの渡辺さんの見立てで雄と雌のペア飼いということになっているが、果たして繁殖させられるものなのか?
 こんなやつらが殖えたら、我が研究室もかなり賑やかに、さらにコミカルになっていくことだろう。



frog's Room入り口に戻る 
飼育日誌vol.03へ戻る 
飼育日誌vol.05へ 




研究室入り口へ

研究室案内へ戻る
本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース