ヤドクガエルの飼育日誌 vol.07 [1999年3月18日〜3月19日]




ちょっと太ったかな?

1999年3月19日(金)
 プミリオの新ケージは結局製作が進まず、今週末にその作業が急ピッチで進められる予定である。進められるなどと書いてはいるが、実際に作業するのは業者ではなく私なのだが。
 先日、河村さんからカエル特集が組まれた時のTV番組のビデオを頂いた。その中にプミリオの生態が詳しく紹介されている内容のものがあり、それを参考にして新しいビバリウムを組むつもりでいる。
 そのビデオの中でのプミリオ、その産卵行動と子育ては、私の考えていたものとは全然違っていた。
 まず、棲んでいる環境からして全然違う。私の想像では、熱気でむっとするようなジャングルの奥に棲んでいると思ったのだが、まぁ、たまたまある島での生態であったからかも知れないが、海のそば、海岸沿いといってもいいような森の中に、彼らは棲んでいるのだ。
 これは、Wild Skyで買ったカエルのビデオでも見知った事実であったが、ちょうど年明けにグアムにいった事もあり、海岸沿いの森というものがどんなに過ごしやすいものか体験してしまっているので、あの感じなのでは?という、感覚に捕らわれている。
 しかし、今我が研究室にあるビバリウムの中で、もっともあの状態に近いのは90cmのレウコビバリウムと、45cmのベントリビバリウムである。
 そこに雨が降るような仕組みをセットし、換気のファンをつければ想像の世界とかなり近づくと思われる。
 ビデオの中の森は、かなり爽やかそうであった。なにしろ、地面一杯の落ち葉は決して湿っておらず、乾いた茶色をしているのだ。無論雨も降るが、日光の強さがそれをすぐに乾かしてしまうのだろう。
 実をいうと、私は全然研究熱心ではないので、どこかで公開されているであろう現地の気温、湿度、気候などを調べたりする気は毛頭ない。バカバカしい話ではあるが、ビデオを見て想像を固め、それを実践してみようというだけの事である。
 90cm×45cm×45cmのアクリル水槽を縦置きにしたビバリウム。縦に置くと、幅45cm×奥行45cm×高さ90cmのケージになる。ここにブロメリアを沢山植え、できる限り換気を良くして、循環水による雨を降らせる。できればメタハラのライトが欲しいところだが、それは現状では諦めるしかなく、通常の蛍光灯を置けるだけ置く。
 無論、これだけでプミリオが産卵するとは思っていないが、せめて健康に暮らしてくれればと思う。今現在、2匹のプミリオ、1匹は太ってきたものの、もう1匹は痩せて、頭より身体が細くなってきてしまった。
 このままでは、90cmのビバリウムにプミリオ1匹ということなってしまう。……それも、まぁ、いいか。




レウコビバリウムの状態。この写真はどっかで使ったかも?

●ケージサイズ:90cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.leucomelas×4匹

 鳴き声に気合いが入ってきた。身体が上下するぐらい力を込めて鳴いているのが観察できる。一生懸命なのは解るのだが、その動きはかなりコミカルだ。
 どれぐらい力が入っているのかというと、鳴いているカエルの乗っているブロメリアの葉はブルブル振動し、声そのものも「リュリュリュリュリュリュリュ……」と聞こえるぐらいなのだ。
 一度鳴き声を機構的に真似してみようとしたことがある。空気を吸えるだけ吸って、咽を震わせながら断続的に息を吐き出して音を出すという真似をだ。
 結果は、気分が悪くなるだけで全然音が出なかった。こんな苦労をしてまで……と、悲しくなるほどしきりである。
 しかし、鳴いている雄はいつでも1匹で、他のカエルは鳴かないものの興味を持って近づく訳でもない。この様子を見るに連れ、全部雄なのか?との疑念が沸き上がってくる。
 いや、きっと雌はいるはずだ。




ベントリの卵。

●ケージサイズ:45cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.ventrimaculatus×2匹

 昨日ぐらいから雌のやる気が上がってきた。ちょうど気候的にも春の雨に見舞われるこの時季、室内のカエルも敏感に低気圧を感じているのだろうと、私は思い込んでいる。なにしろ、水の中のブラックバスでさえ、低気圧を感じると活性が上がるのだから。
 まぁ、無論、その影響が全てだとは思わないし、雨だから必ず産卵する訳でもないのだが、雌が雄の誘いに乗って、雄のお気に入りのネオレゲリアに近づいてきたことは確かだ。
 2匹は連れ添って同じネオレゲリアのまわりをグルグルと歩き回り、どの葉腋にするか選んでいるようである。
 いつも卵を産んでいた、雄がお気に入りの葉腋は再三私が卵を取り出したために葉腋が広がってしまい、水が溜まらなくなってしまった。雄は「ここが良かったのに……」と、恨めしそうにその葉腋を覗いてはガックリと肩を落とすのだった。
 そのネオレゲリアの他の葉腋に2匹で入ったりしているので近いうちに産卵すると思う。今回は卵をほっておく方法で行こうと思うのだが、この私にそれを実行できるのか自分で自分が心配だったりする。




最近は、ここがお気に入りの場所。

●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm(+18cm)
 収容している蛙:D.pumilio×2匹

 このままいくと、多分1匹は新ビバリウムの土を踏むこと無く死亡するだろうと思われる。しかし、私は何もできない。1匹が元気なのに、もう1匹の調子が悪いなんて、いったい何が良くないのか全然解らない。見ている限り喧嘩はしていないように見える。喧嘩をしないというより、互いに相手には無関心という感じなのである。
 こうなると、原因は環境があっていないためと思われるが、その環境に適応できない個体を助けるために、また新たな環境に変化させるというのは一種の賭けだと思う。それは、かなりリスキーな賭けであり、ともすると元気な個体も調子を崩しかねない。かといって、痩せてきた個体を取り出すという方法も、こうなってくると既に手後れだ。
 太ってきた個体の方は餌を食べているところを確認できた。結構積極的にハエを追って食べてくれている。もう1匹の方はまるで餌に関心がない。餌にというより、ハエを餌とみなしていないように思う。
 ここ2日ほどで見るからに痩せ、しかも動きが緩慢になってきた。その前までは動きも素早かったのだが、もう体力も限界なのだろう、身体の向きを変えるのさえ億劫そうだ。
 彼らの体重を計ったことがないので解らないが、およそ5グラムもないと思われるその身体に余分なエネルギーなど蓄えられているはずもない。
 せめて、快適なはずの新しいビバリウムに入れてあげたかったと思うのは都合の良すぎる後悔ではあるが、このまま死んでいく姿を見守るだけというのも、みじめな気分がつのる。




潜んで撮った一枚。

●ケージサイズ:60cm×36cm×30cm(+18cm)
 収容している蛙:D.auratus×4匹

 オーラタスのビバリウムも、今週末に改修予定だ。まず、水場を閉鎖して床面積をふやし、そこにシェルターを設置する。これによりいじけている個体が地上のシェルターに戻ってくれればと思っている。
 90cmでレウコを飼育していると、やはりこのサイズになる地上種には最低でも60の45ぐらいは必要だと感じてしまう。
 ともあれ、改修が終ったのち、プミリオの方が落ち着いたら、もう一度このビバリウムを全面改修しようと思っている。なにしろ、例のビデオを見てからというもの、矢毒カエルには水場など必要無いと、私は思ってしまったからだ。
 そもそもこんな小さな水槽で水場を作ろうとすると、はやりロスばかりが多くてメリットがない。できるなら、改修時にケージのサイズアップができたらと思っている。
 まぁ、時期的には半年以上先になるであろうが。




お尻……。

●ケージサイズ:30cm規格水槽
 収容している蛙:M.noelensis×2匹

 相変わらずの餌ぐいの良さで、私を安心させてくれる。
 河村さんにこのケージを見せた時「こんなに湿度いらないんじゃない?」と言われた言葉が、今になって心に引っ掛かっている。確かに、ちょっと湿度が高すぎるかもしれない。
 後悔することになる前に、なんとかしようと思うのだが、熱帯魚上がりの私はなかなか水の呪縛から離れられずにいる。
 実際の彼らは一体どんな環境にいるのか。
 先のビデオの他に、ヒキガエルの生態などが紹介されているビデオも見たのだが、それによるとヒキガエルは普段森の中に居て、繁殖期になると雄が水場で雌を待ち、そこで産卵が起こるようなのである。
 それはもちろんこのステルツナ−ではないので完全にはあてはまらないと思うが、ヤドクガエルにしろ、ツリーフロッグにしろ、私の常識よりはるかに低湿度で飼えるように思う。私の常識と言うものが多湿すぎるのだ。
 このステルツナ−ガエル、うまく育てると体長4cm程になるらしい。成長して雄が鳴き始めたら、ぜひ試したいことがある。それは、指を動かして雄を誘い指にしがみつかせてみると言う他愛もない実験である。はたしてどれぐらいの力があるのか、ちょっと楽しみだ。



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