ヤドクガエルの飼育日誌 vol.11 [1999年7月13日〜8月13日]
しょげるプミリオ。
撮影:衛生管理部長
「あのヤロォ、やる気ねぇよ……」
7月13日(水)
依然レウコは産卵しない。同じような状況下でベントリレッドは産卵し続けているのに。
しかしこのままではレウコが産卵してもオタマが取れないかも知れない。ベントリも卵は産むのだが、オタマまで育たない事ばっかりだ。
前回の日誌に書いた生き残りのオタマはまだ生きている。しかし、1匹のオタマの為に2千円の液体クロレラ(餌用)では勿体無さ過ぎる。クロレラ買うんならオタマ100匹ぐらい生まれてくれないと割りに合わない。
あぁ〜あ、ここらでいっちょう、どーんとラーマシィでも産卵してくれないかなぁ、とも思うが、どうやら2匹はメス同士、あるいはオス同士のようだ。
片方が虐められているのか、水槽背面のヤシパネルの裏側に入り込んでしまっている。はやく1匹を分けないと。
土曜日にセットしようかな、30cmビバリウム……。
◆
最近は、ハエ事情もヤバい状態だ。なにがヤバいのかって? そりゃ、あんた飛ぶんだよ、ハエが。
もう、我が家は研究室の内も外も小バエだらけ。ぶんぶん飛び回っている。
なぜだかフライトレスのはずのショウジョウバエがフライングハエになり、これがもう作った瓶、全部(!)とかなると完全にフライトフル。フライトフル・ショウジョウバエ。
怖くて蓋あけられるもんじゃない。
何百匹といるショウジョウバエが蓋を開けた瞬間に「むわぁ〜ん」と飛び出してゆく光景……そんなのもう、見たくないに決まっている。
どうしよう、飛ぶハエ。
◆
レウコ、産卵させるぞ計画、妄想中!!
ビバリアのレプロ600を1個買って、そこにレウコを入れよう。ペアになりそうな奴を。
もう決めた、絶対決めた。今度の土曜日にやる!! ……多分。
7月16日(金)
レウコのやる気がアップしてきた。オスが懸命にメスを誘い、メスは誘惑に乗らないこともない、といった状態だ。昨日からビバリウムに大量の雨を降らせ、土中に水を注いだ。まぁ、いままでが乾き過ぎていたのだが。
その影響か否か判断しにくいところではあるが、今朝はペアの調子が良かった。ただやはりオスが2匹いるためお互いに邪魔しあい、いい結果が出ないのだと思う。
明日、頑張ってビバリウムをセットしよう。
◆
ベントリレッドのオタマは溶けてしまった。これは私のミス。世話をやかなすぎた。
ペアの調子は順調にいっているようで最近ではメスの太り具合も程よく、そろそろ次の卵を産むだろう。
7月19日(月)
できない……。できないよ、もう、疲れたよ。
土・日の庭作業で、私は疲弊のピークをむかえている。土曜日なんてとてもビバリウムをセットできる状態じゃ無かったので、計画は断念。庭をやりながらときおり飼育部屋を覗いては、レウコの鳴き声、そしてラーマシィの行動に気をそがれるしまつ。
ラーマシィ、まじで分けないと。
◆
土曜日の夜にぎえもんさんたちと一緒にWSに行ってきた。店内はかなりのにぎわいで、ちょっと派手に動いたらブロメリアやチランジアに引っ掛かりそうな勢い。
店内で松園さんから、中富さんを紹介された。初対面の緊張もあって良くお話もでき無かった。残念である。
私はハエを買い、今回はブロメリアを我慢して、店をあとにした。
「いなかったと思っていたイミテーターがいた」と松園さんが言っていたそのイミテーター、衛生管理部長がお気に入りの様子。次はイミテーターっすか、部長。
いいっすよ、冬のボーナスでどーんと、ね、それまでには90cm縦置きビバリウム完成させますから。
◆
そして今朝、ついにレウコの卵を発見した。その数、3個。しかし全てひからびていた。
レウコビバリウムは蛍光灯の数が多いため、すぐに乾燥してしまうのだ。そしてしかし、レウコの体格からすると産卵数が少ない。誰かに食べられたのか、はたまたメスが嫌がるのをオスが無理矢理産ませたのか。……全ては謎である。
今回はひからびてしまったので駄目だと思うが、復活するという話もJFNで聞いたことがあるので、多めに霧噴きしておいた。産んだ場所はブロメリアの葉の上だ。地上種であるレウコでは特殊なことなのだろうか? 更には、うちのビバリウムの場合、レウコ×レウコなのかも怪しい。
まぁ、しかし、多分レウコだろうと思うので、これでとりあえずレウコが産卵することが解った。早めに別のビバリウムをセットし、そちらにレウコを1ペアだけ移そうと思う。
俄然、やる気が出てきた。
待っててくださいよ、我が家のレウコに期待してる皆さん、皆さんにレウコお渡しできる日も、そう、遠くはない……ハズ。
8月10日(火)
最近は矢毒の方にもあまり手が回らなくなっている。手と言うより、気持ちが回らなくなっていると言ったところだろうか。
朝、霧吹きし、餌をやり、ちょっと様子を見て終り。そんな調子であるから、微細な変化など気がつくはずもない。……マズイ、こんなことでは駄目だ。しかし、どうやって現状を打破したら良いのやら。
私自身の興味を復活させるためにも、近く、なんとかケージを新しくしようと考えている。ハチクラでアダージョ・プランニングのレプタケースというのを見たところ、値段の割には案外いいつくりなので、このケースで統一しようと計画した。あれならハエもコオロギも逃げないだろう。
なにせ、飼育部屋をもう少し片さないとならないので、矢毒のケージをまとめ、ラックをひとつ空けようと思っている。まぁ、これまた予定は未定であるが。
8月13日(金)
レプタケースを定価で全部そろえると費用がかなりかかる。スチールアングル代を含めた概算は20万円だ。今の私にとうていそんなお金はない。しかもそのうえ、欲しい蛇がいてどうしようか悩んでいるところでもある。まぁ、気分は「楽しい地獄」と言ったところだろうか。
しかたがないので、とりあえず計画を変更し、スチールアングルだけでも購入して、とにかく矢毒のケージをひとまとめにずらりと並べておこうと考えたが、その計画もまた予定は未定である。こんなんばっかしだ。
◆
今朝、レウコが2度目の産卵をした。産んだ場所はこのあいだとほぼ同じ葉の上で、今回は発見が早かったのか乾燥していると言うようなことはなかった。昨日の朝、かなり鳴いていたのでその時に産んだのかも知れない。その割には、すぐ気付くような場所に産んであったのが不可解だ。昨日の夜、私はそこを見なかったのだろうか……憶えていない。
卵は全部で9個あり、2個と7個に産み分けられていた。放っておくと乾燥してしまうし、月曜日に入れたコオロギの生き残りに食べられたり、腹をすかしたカエルに食べられたりするので、取り出してカップに入れることにした。
朝は世話をする時間が限られているので、とりあえず軽く霧を吹いてカップごとビバリウムの中に入れておいた。
うまく発生が進んでくれると良いのだが。
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