ヤドクガエルの飼育日誌 vol.12 [1999年8月18日〜8月19日]




手前の3つは腐っている。

8月18日(水)
 先週の金曜日に産まれたレウコの卵であるが、9個あったものが現在4個になってしまった。
 金曜日から数えて、5日間たっているわけだが、日に日に卵が死んでいってしまったのだ。これではいつものままだ、ただ手をこまねいて見ているだけじゃ、進歩がないと思い、去年ベントリが卵を産んだ頃のデータと、その頃のJFNのメールを読み返したりしてみた。
 しかしそれでも解ったことは少なかった。月曜日には5個の卵が既に死んでいて、それを取り除いた方がいいということが解ったくらいだ。まぁ、これは当たり前の事で、いつもやっている。
 そのうち、ふと思い出したことがあった。去年ベントリが卵を産んだのは、2月だ。日本が最も寒い時期、しかも、私のビバリウムは熱帯魚のヒーターで地下部分の水を暖めるという方法をとっていた。そのころのビバリウムの温度データがないが、たしか地表で25℃だったように記憶している。そのビバリウムの中で卵を育てたのだから、多分温度は22℃前後、最高でも25℃ぐらいだったはずである。
 私はつい先日、温湿度計を飼育部屋につけたばかりだったので温度は簡単に解る。現在の飼育部屋の温度は28℃だ。そしてレウコビバリウムの中といえば、30℃は軽く超えているはず……「温度だ!」私は、そこに気がついた。
 温度が絶対的に高すぎるのだ。
 毎日死につづける卵を見ながら苦い思いをする日々はもう終わりだ。さよならだ。そうだ、温度か。
 しかし、そんなに興奮してみても、なんでそんな初歩的な……と思うと情けなくもなってくる。


向かって左側上方にエアコンがある。

 私はさっそくビバリウムの中から卵の入ったカップを取り出し、その卵入りカップを更に大きなカップに入れ、エアコンの吹き出し口の前に置くことにした。ここなら温度は格段に下がるだろう。
 カップを二重にしたのはエアコンの送風による乾燥を防ぐためだ。この場所はつい先日までマンダリンラットスネークのケージを置いていた場所である。現在、やっとマンダリンラットスネークの強制給餌が成功したところなのだが、拒食を含めた不調の要因のひとつに「ずっとエアコンの風が直に吹き付けていたため」というのがあったのではないかと、私は考えている。
 それを別の場所に動かしてマンダリンが餌を食い始める、あいたその場所に矢毒の卵をおいて上手く孵化させる、これらが順調にいっている今、なんだか15パズルがスキッとはまった気分だ。




かなり発生が進んだ4匹のオタマ。
写真左が7卵あったうちの生き残り3匹、右が2卵あったうちの1匹、合計4匹。

8月19日(木)
 昨日はあんなことを書いているが、実は記録をつけている瞬間にはそれほど確信がある訳じゃなかった。まぁ、今現在も「絶対」の自信がある訳ではない。……ある訳ではないが、卵の中のオタマは今までにないぐらい元気だ。あんまり嬉しくて、昨日の夜などはJFNにメールしたり、瀬山さんに報告のメールをしたりしてしまった。今朝になったらなったで、どうしても誰かに話したくて、会社の同僚である女の子にまで「やっとカエルの卵が上手くいきそうなんだ」とか話してしまう始末だ。彼女は、全然生き物になんて興味がないのに。
 これでまたダメになったら、非常に恥ずかしい状況に自らはまった訳であるが、それでもまぁ、今回の卵は大丈夫だと言う気がする。
 今年の1月頃に産卵があった時はオタマにはなっていた。それが3月を過ぎて暖かくなるにつれ、状況が悪化していったことを思えば、温度が高すぎたと言う事実は要因の一つであろうと思う。


横からのショット。バランサー(or外鰓?)が伸びている。

 もうひとつ解っていることと言えば私の気持ちが萎えていたと言うのも原因だが、今回の卵好調で俄然ヤル気が出てきた。
 これからの卵を同じ状況下で孵化できれば、とりあえず温度の問題はクリアーしたと言えるだろう。



●90cmビバリウム:D.leucomelus, D.galactonotus, D.auratus

写真はすべてガラ。なぜこいつの写真が多いかというと、カメラを近づけても逃げないからである。

 上手く行ってるのはレウコの卵であるが、お父さんは確実にレウコであるものの、お母さんについては大人になるまで解らない。
 まぁ、オスのレウコもほとんどいつもレウコのメスばかりナンパしているので、多分、純血レウコが産まれると思う。ガラ×レウコ、オーラタス×レウコ(竜巻きのピー・フェイズ)でも面白くていいのだが、放出するには問題があるので、色々悩んでしまう。
 ハイブリッドが欲しいと言う酔狂な人もおられるだろうが、風向きが怪しいし……。
 レウコの卵がオタマ(孵化前)になるのは初めてだったので、ベントリのオタマに比べて色が薄いのに驚いた。ベントリは卵から孵化する前のオタマ状態で、けっこう濃い茶色なのだが、レウコのオタマはベージュに近い色をしている。
 これが上手いこと生まれて育ったら、色んな違いを発見できて楽しいだろう。




鳴いたのか、ラーマシィ?!

8月20日(金)
 私は、信じていない、今は、信じていないけど、もしかしたら、ラーマシィが鳴いたかも知れない。いや、本当に、こう書いておきながら、信じてはいないし、望みも抱いてないのだが、鳴いたかも知れない。
 先日、毎朝の日課である矢毒の餌やりをしているときに、ベントリ系の「ヂィー、ヂィー」という小さな鳴き声を聞いた(様な気がした)のだ。
 その時聞いた鳴き声はベントリのそれとは違っていて、「ヂィ、ヂィ、ヂィ」という短い音が連続するような鳴き声だったので、ベントリのものではないはずだ。
 まぁ、我が研究室には数多くの生物がおり、中には声をだすものもいる。そういった連中の鳴き声でないと断定はできないし、私自身、ラーマシィは「雌同士」だろうと思っているので、過大な望みは、今回ばかりは抱いていない。
「もしかして、鳴いてたらいいなぁ……」ぐらいのもんである。
 だからこれ以上の夢と希望は今回は記さない。


 レウコの卵(×4)は順調に育っている。
 温度の事で瀬山さんに意見を求めたら、生まれた卵を2分割し、今までの温度と今回成功している温度に分けて飼育し、それによる結果を数多く累積して、高温=×、低温=◯を証明してみてはどうかと言う話になった。
 それは面白い。我がHPは何と言ったって、「研究所」なのだ。この辺でそういう実験をしておくのもアリかもしれない。
 まぁ、それは当然のことながらレウコが数多く産んでくれればこその話であるが。ついでに言うと、どこまでの高温に耐えられ、爬虫類のように、温度で孵化する雌雄を決定させられるのかなんてのも突き止められたら、大したものだろう。そこまでやるつもりはないが。


 生き残った1匹のプミリオはだんだん物おじしなくなってきた。餌のハエを与えると、けっこう見ている前で食ってくれるようになった。こっちが激しく動いているような時は姿を見せないが、じっとしてれば出てきて餌を食べると言ったような具合に。




こいつも案外見られるストレスに強い。ベントリの雄。





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