ヘビの飼育日誌 vol.06 [1999年6月14日〜6月30日]
駄目飼い主改造の、駄目衣装ケース改造ケージ。
6月14日(月)
にこたんは多分オスだ!
多分……7割くらい。いや、自信は煙りのようだが。
今現在まで、にこたんは少量給餌実験中であったが、だんだん焦りが出てきた。なんだか全然育たないのである。
まぁ、だからといって突然にガバガバ食わせる訳にも行かないので、来年のブリーディングは難しいかも知れない。
我が研究室のキングスネーク達の雌雄は、しろてん♀、お嬢♀、ポンチョ♂、ジゴロ♂である。つまり、全て亜種違いなのである。
最近まで、来年は練習のつもりでハイブリッドでもいいから産ませてしまおう……などと考えていたが、それによって殖えてしまった場合、引き取り先もないだろうし、我が家で全て育てるには辛いし、どうしようもなくなってしまうではないか、と気がついたのである。
それに、ハイブリッドでも綺麗なパターンが産まれるならいいが、デザートバンデッドとヌエボレオン、もしくはメキシカンブラックキング、さらに、アルビノプレーリ−とヌエボレオン、もしくはメキシカンブラックキング……どうだろう、ちっとも綺麗なパターンが想像できないではないか。
そりゃ、我が家の子は欲しい、しかし、生まれた以上、彼等に対する欲求とか愛情とかも一緒に生まれるということを考えなくてはならない。
綺麗なパターンの子達なら引き取り手は沢山あるだろうし、可愛がってもらえるだろうが、ただのハイブリッドなんてそう言った意味では無価値だ。だから、来年までに、なんとかにこたんに頑張ってもらいたいのだが、それもまた身勝手なお願いではある。
先日から使い始めた3段式の衣装ケースであるが、結局しろてんが逃げまくるのでしろてんだけはプラケに逆戻りである。
早めに専用ケージを用意しなくてはならないと思い、現在、急いでアイデアをまとめている。だいたいの形は見えてきているのだが。
6月28日(月)
前回は、あんなこと書きながら、今現在の気持ちは全く違っている。とかく飼育者(特に初心者)の気持ちとはうつろいやすいものなのだ。
◆
今回は、初めに文句を書いておこう。
「自分も通って来た道なのに、偉そうな口利くな! 飼育者は責任を持ってだとう? こっちだって生きてンだ、心変わりもするんだよ、このザル飼いヤロウめ!!」
ふふん(笑)、いや、なんだ、アレだ、誰と言う訳では無いが、とくに雑誌とかで、ヤレ飼育の責任だとかなんだとか言ってるのは、本当に嫌いなんだ私は。
そんなの問題じゃ無い。
手放さなきゃなんない事情とか、まぁ、そんなの無くてただ厭きたとか、そういうのは誰にでもある。
そりゃ、ある一匹、一個体をずぅ〜っと、飼いつづけるのは凄いこと(すばらしいとは思わない。時間の無駄だとは思うが)だと私も理解できるし、飼い込み個体を見せられた時に悔しさを感じることもある……が、それを理想としてかかげ、信仰することによって自分も善者、勝者であるような気分になってる奴、それらしきことをのたまう奴、それは私から見れば勘違いも甚だしく、滑稽だ。
まず最初に、自分がどうなっちゃってンのか、見つめなおしてみれば?と、思う。
うち? うちは滅茶滅茶だよ、だけど卑下てんじゃん、ちゃんと(笑)。
えぇ〜、毒づくのはここまで。
◆
愛する我がページのお客様に申し上げておく。
「ここは有毒HPなので、きちんとした飼育書のような話はあんまり載ってません。とくに私が知ってる事は飼育書とは全然違うかも知れません。だって、私はあんまり本読まないので。」
いきなり、学名で話されたってそんな蛇知らないって!!……っと、私は叫びたくなる時がある。まぁ、そんな蛇は英名も、和名も知らないんだけど。悔しいから、勉強するけどさぁ……。
あぁ、もう、こっちまで常軌を逸し始めている。軌道修正、閑話休題。
◆
まぁ、なにがあったと言う訳じゃ無いので、ご心配なきよう。私はいたってふつうです。
◆
昨日、仕事帰りにハチクラに行って餌を買おうとしたら、蛇コーナーに鶏冠さんの飼っているのと同じボアコンがいて、私はいつもの事ながら「うぅ〜、これかぁ、チクショウ、欲しいなぁ……」などと言いながら地団駄を踏んでいた。
しかし、ボアコンを飼う訳にはいかない。私は、いつのことになるか解らないが、ジャングルカーペットパイソンが欲しいのだ。計画としてはペアを揃えてブリーディングしたい。もちろん、キングを殖やすのは現在の夢だ。しかしそれが叶った時、それはジャングルカーペット繁殖の為の経験に過ぎなくなる……はずである。
と、そんなドリ男的な考え方で自分の欲求を悶々と押さえ付けている私の後ろで、一緒に来ていた衛生管理部長が、ある決意を固めていようとは、あぁ、誰がそれに気がつけようか?!
そう、衛生管理部長殿のキング300種補完計画、その意志の炎はまだ燃え尽きてはいなかったのである。
アルビノカリキンストライプ(オス)とカリキンデザートバンデッド(メス)、あわせて2匹、即決ご購入なのであった。
なぜ、いまさらバンデッドのメスを買うのか? そりゃ、しろてんは噛むよ、だけど、そいつが噛まないとは限らないじゃ無いかぁ〜……ってのは嘘で、その個体は「ブリーダーズセレクション」とか名前がついていてたいそう美しい個体なのだ。まぁ、ブリーダーズうんたらでなくても部長は買っていただろうが。
我が衛生管理部長は3,000円のパンストを買うのはためらうくせに、2万円の蛇を2匹買うのには全然躊躇が無い、まことにすばらしい女性なのである。
さて、そんなコントはどうでもいいとして、我が家にやってきた新たな蛇、アルビノカリキンストライプとデザートバンデッド、それぞれ名前は「ブイヨン」と「ポチ」に決まった。
アルビノの方は目玉が赤く、それがまるでカゴメの「ブイヨン」の様な色だからブイヨンと名付けられ、「ポチ」の方は、目玉の下に黒い模様が「ぽちっ」とついているからである。
ブイヨンはかなり小さいが、雄なので上手く調節して育てれば来年の繁殖に使えるかも知れない(望みは薄いが)、ポチの方は結構大き目なので多分間に合うだろう。
これでもし、にこたんがメスでもブイヨンさえ間に合えば、来年、ストライプのヘテロは作れる準備ができた。
ブイヨンの方は、ストライプはパーフェクトなのだが、腹側からの模様の立ち上がり部分が多く、にこたんよりはその面で劣るかも知れない。しかし、2匹をかけられればそこそこのストライプはとれるだろう。ともすると、すばらしいパーフェクトストライプが……と思うのは親バカと言うものだろうか???
そして更に、再来年、そのヘテロを使ってアルビノストライプをつくるのである。上手く行けば、ブロークンとバンドも……夢は大きく。
6月29日(火)
最近は、Yahoo!掲示板の「王様の蛇」というキングスネークのトピックスで、copulationさんに非常にお世話になっている。
いや、いざ冬眠、いざ繁殖、となったら尚の事お世話をかけてしまうことだろう。下準備の段階で、こんなにも相談を持ちかけてしまっているのだから。
ハイブリッドについても、幼蛇の育成についても、もちろんブリーディングを含めた飼育全般についても、copulationさんは明確な意志を持っている。それはきっと実績があってこその自信が意志の底辺を支えているのだろうと、私は思う。 Yahoo!掲示板の同トピックスでも話題に上ったが、その飼育法が良いとかどうだとか、なんだかんだといった問題は思想的になるのであまり意味がない。
私自身が、自ら望んで意見を聞き、それによって何かを得ることが目的なのだから、ネットによって先達の方々とこうやって簡単に知り合いになれることは、最近の私にとって非常に有利な状態であると言うことだけは言える。
copulationさんの勧めによって、我が研究室のキングスネーク繁殖計画もそろそろ構想が固まってきた。感覚的に言うと、「モヤモヤと固まってきた」という感じだ。もちろん、まだ「モヤモヤ」してるのは私自身の問題であって、copulationさん明確な意見・指摘には曇りが無い。
◆
先日購入したデザートバンデッド「ポチ」についてであるが、「ポチ」だとメスだと言うことを忘れそうなので、名前を「ポチ子」に変更することにした。まぁ、これをお読みになっている皆様にはあまり関係の無いことかも知れないが。
ポチ子は餌付き済み個体では無かったが、順調に餌を食べてくれた。観察していると少々神経質な感じを受けるが、まぁ、我が家についた初日だったので、こんなもんかとも思う。
私は、良く言われるように、「蛇を買ってきたら、まずおちつけて1週間程おいてから餌を与えるようにする。」というのを実践していない。
全ての種、全ての個体、全ての飼育者を対象としているような媒体の情報とは、時として、もしくは多くの場合、実際の飼育ではあてはまらないことが多い。逆に言えばまた、私のとっている方法も広く一般にしらしめて良いものかどうか疑わしいとも言えるのだが。
しかし私は、ことキングスネークにおいて、調子を崩している個体で無い限り、買ってきたその日に餌を与えることを実践している。
これは私の気性に負うところが大きく、科学的根拠のようなものは全てこじつけに過ぎないので、わざわざ書く事もないかと思ったが、こんなページでも頼りにしてくれている方もいるかも知れないので、なんでそうしているのかを一応書いておく。
まず第一に、買ってきたその日に餌をやりたい。我慢できない。これが一番の理由である。他に無いであろう。なにせ、こっちはコミニュケーションしたくてペットを飼うのだから。
第二に、ショップで長いこと餌をもらって無い個体は大概すぐ食べるので、落ち着かせるのは食ってからでもいいではないか。……と思うからである。前記した通り根拠は無い。腹一杯の方が落ち着くかなぁ〜って程度の根拠ならあるが。
第三に、初段階の給餌によって調子を見ることができ、もし食わなければ、ショップに交換してもらう(かもしれない)からである。何と言っても私は初心者だ。拒食していたやまちゃんを殺してしまったのは、私が未熟なせいだ。それらをひっくるめて考えると、拒食するような個体はまだ私には荷が重い、と言うことになる。
現在、マンダリンラットスネークで修業中ではあるものの、連れ帰った初日から食わないような個体を飼いつづける気にはなれない。ここはひとつ早めに降参するのも手かも知れないと、最近思い始めている。責任の取り方って、そういう形もあるだろう。
話がなんだかズレてきたが、つまるところブイヨンもポチ子も餌を食べてくれて一安心だ。ポチ子はファジーを2匹、ブイヨンはピンクを食べた。しかし、ブイヨンについてはピンクが思いのほかデカ過ぎたようで、次はSピンクを2匹にしようと思っている。
ピンクがでかくて飲めないなんて……懐かしい感覚。
◆
しろてんは逃げ過ぎるのでプラケに逆戻り、ポンチョも逃げ出すのでプラケに逆戻り、衣装ケース改造ケージに棲んでいるのは、現在お嬢だけだ。
やっぱ、行き当たりばったりのケージなんて駄目だ。
しろてんもポンチョも逃げ出す時に頭を擦ってしまって、傷がついてしまった。脱皮で治るとは思うが可哀相なことをした。
最近出たスケイル7に蛇ケージの手引きみたいな特集があるので、これにならってもう一度蛇ケージの構想を練ってみようと思う。
6月30日(水)
今日は、夜からNUANCEさんが我が家にいらした。
私が注文したカエルを届けてもらったのである。もちろんデリバリーはNUANCEさんの本意とするところでは無いのだが、NUANCEさんが取り引きのある熱帯魚店が我が家の近所にあるので、そこのついでによっていただいたのだ。ついでと言っても届けていただけるのは大変有り難い。今回は、ご好意に甘えさせていただいたと言う訳である。
◆
飼育部屋で、NUANCEさんと色々な話をした。その中で、蛇のブリーディングについても話し合った。つまるところ、「頑張ろう」と。
やはり、犬猫にくらべて爬虫・両生類はまだ認知度が低く、ペットとしては特別なものだとの意識が根強い。
私はかれこれ15年も熱帯魚を飼っているが、最近やっと、熱帯魚は飼ってると言っても奇異の眼で見られる事が少なくなってきた。それに比べ、爬虫・両生類はまだ一般の人々にとって遠い存在なのだろう。
私は夢見がちなので、近未来的に蛇などを殖やして商売(とまではいかないまでも)をしようと考える事がある。またもし、商売にならないとしても、トレードする相手が沢山いれば自分にも有利な事が沢山あるだろうと思う。
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