ヘビの飼育日誌 vol.07 [1999年7月13日〜8月2日]
ブイヨン。この眼がね(笑)。
小さいなぁ。懐かしいぐらい、小さいよ、オマエ。
7月13日(水)
ポチ子が脱皮をした。
目が曇った瞬間を見のがしてしまったので、少々解りにくかったのだが、前回、前々回給餌を拒否したので、不安はあったものの初日に食っているのだから……と開き直って、脱皮だろうと予想はしていた。
案の定脱皮で、しかしやっぱり一安心。
脱皮と一緒に排泄したのでケージの清掃と床材のキッチンペーパーを行った。その時の食い気と言ったら。
今夜早目に給餌すれば、日曜日に給餌できるだろう。はやく大きくなって欲しい。しかし、急激に成長させると弊害も出るという話もきく。
それぞれ人づてなのだが、Aさんは「少量与えて少しずつ成熟させた方がイイ」と言い、Bさんは「若いうちはたっぷり食べさせて早く成長させた方がイイ」と言う。
Aさんの理屈では急成長に伴い成人病のような症状が出るというものであり、一理ある。Bさんの理屈も、成長期に充分な餌を与えないと成長不良を起こして繁殖に使えなくなるというものであり、こちらも一理ある。
しかも、AさんもBさんも私からすれば、完全なるプロで雲の上の人。そしてしかし、その二人から話を聞いた人から又聞きしているのでダイレクト性が失われ、細かい質問を返す事も私にはできない。私の性格上、質問する気もないが。
とすれば、自分でヤルしかない。
罪悪感はないのか?と言われれば、「ある!」が、やらなきゃ解らないもんは、自分で「ヤル!」のだ。
だとしなければ、何のために蛇なんて飼うんだ? なんのためにこんな手間のかかる生き物どもを飼うんだよ?
見るだけ、聞くだけ、読むだけ、だったら、動物園行って、説明聞いて、テレビでも見て、本でも読みゃイイ。
正当化するつもりはないが、ヤリたい事はヤル。バカにしたきゃ、するがいい。……って、なんでこんな主張をしてるんだ? ストレス溜まってるんだきっと。
まぁ、そんなに難しくは考えていないんだけれども、やりたいようにやらないと身につかないものもある。
だからちょっと、ポチ子を急いで育ててみようと思う。来年の繁殖に間に合うように。
あぁ、エゴい、エゴい。
◆
現在、お嬢とジゴロは衣装ケースに入れているが、しろてんとポンチョ、カバヴーはフラットプラケのままである。カバヴーはまだいいものの、長さがでてきたしろてんとポンチョはもうきつい。
相当にきつい。ウンチまみれになるくらい狭い。
ケージ拡大は急務だ。とりあえず大型フラットプラケを買おう。
オリジナルケージ製作はそのあとになってしまう。これはもう大失態だ。ぐずぐずしている私が悪いのだ。しかしまぁ、でかいフラットプラケも今後、色々と使い回しできるだろう。
写真は多分オスのノブ。
8月2日(月)
デカいプラケは買わなかった。まずもって蓋が開けにくい。私が買おうとした製品がそうだったせいなのかもしれないが、あれじゃ買う気にならない。
もうちょっとで庭の方が一段落するので、そうしたら今度は、今度こそは蛇ケージを製作しよう。これは絶対命題だ。
しろてんが狭い、ポンチョが狭い、ジゴロが抜け出そうとして頭に怪我……このままじゃマズイ、非常にマズイ。
そして昨日、我が家に新たな蛇が仲間入りした。チワワマウンテンキングスネークである。赤白黒のトリカラー、細かく密なバンド、丸い顔、細い首……全てが死んでしまったやまちゃんを彷佛とさせる。
このチワワ、ハチクラに2ヶ月程ずっといた個体で、生後8ヶ月だそうだ。一応ペアと言うことになっているが、繁殖させられるようになるまではまだ時間がかかるだろう。
2匹ともまだ全然小さく、飼育には恐怖感が伴う。まぁ、怖いのはどうしてもやまちゃんのイメージがあるからだ。決して個体が悪そうとかそう言ったことではない。
現在、我が家にはキングスネーク5種9匹と、ラットスネーク1匹、そしてセイブシシバナヘビが1匹と、ボールパイソンが1匹の、計12匹の蛇達がいる訳だが、マンダリンラットスネークを除いてはだいたい調子が良い。
キングについては、やっと7フェイズそろった所だが、衛生管理部長の意志はまだ燃え続けている。おかげでこっちは大層良い思いをさせてもらっている。ついにチワワまで手にはいるとは……うぅ、でも、これでジャングルカーペットがまた遠退いた。
●しろてん(L.g.californiae)♀ |
いつもこの記録をつけるたびに思うことだが、デカくなった。これが、ハンドリングしていると今一つ実感できないのだが、足元に置いたりすると「おぉっ?!」と思う程にデカい。まぁ、来年には繁殖させようと思っているので大きくなってもらわなきゃ困るのだが……。
しかしどう考えても、こいつとにこたんを交尾させられるようには思えない(笑)。いやいや、そんな弱気ことじゃいけない。
最近、プラケがホントに狭くなってきて、身体をいつも二つか三つか、四つか五つぐらいに折り曲げているので、鱗に折りあとがついてしまうようになった。
本来なら、シェルターの中などでトグロをまくべきところを二つ折り、三つ折りになっているためこんなことが起きるのだろう。これは非常にまずい。今すぐには大きなケージも用意できないので、また衣装ケースに戻そうかと思案中である。
今度、月に一度くらい、体長と体重を計測しようと思っている。まぁ、実現できるかどうか解らないが、飼育していて、後々の為に一応の目安として記録が欲しいのだ。
●にこたん(L.g.californiae) |
にこたんのハンドリング風景。オスだと良いんだけど……。
なんだかんだでにこたんが我が家に来てから半歳が過ぎた。最初は小さくてホントにか細かった彼も、それなりに大きく、太くなってきた。最近では5日おきに餌を与えているので噛んでくる傾向もなく、安心して世話が焼ける。
しかし、今は庭をやっている関係で、明るいうちに蛇達の世話ができず、写真が撮れない。今度、ゆっくりと撮影会をおこないたいものだ。
このにこたんのあと、L.g.californiaeではメスのポチ子を買った訳だが、3匹とも拒食などせず非常に飼いやすい蛇であると言える。
私がカリキンを薦めるゆえんはこの辺によるところが大きい。
●ポチ子(L.g.californiae)♀ |
私は、このポチ子がいるお陰でにこたんをオスだと思うに至っている。最終的には性別をハッキリ調べてもらおうと思っているが、ポチ子との違いから、十中八九オスだと踏んでいる。
ポチ子はにこたんよりやや大きく、そして少々気が小さい。お嬢程ではないが、ハンドリング時には落着きを無くす。これが少々難ではあるが、餌食いなどには問題がない。
彼女をどんどん育てて、なんとか冬眠させるのが、今年の目標のひとつである。
●ジゴロ(L.g.nigritus)♂ |
ジゴロには大変すまないことをしてしまった。
今ジゴロは、お嬢が入っている同じ衣装ケースに入っているのだが、なんとか抜け出そうとしたらしく、頭に傷ができてしまったのだ。
しかもよりまずかったのは、一度挟まって抜けることができずに長い時間もがいていたらしいのだ。ちょうど頭のてっぺん、頭部で一番厚みのある部分が凹んでしまったのである。私が発見した時はケージ内に戻っていたのですぐには気が付かなかったのだが、掃除をしようと思ってジゴロを取り出したところ、「なんじゃ、こりゃぁ〜?!」となった訳である。
とりあえず外傷以外におかしな様子は見えないが、引っ掻き傷はともかく、頭部の変型は脱皮でも治らないかも知れない。まことにもって残念な事故であった。
やはりあの衣装ケース、蛇には向かなかったのだ。もちろん、中途半端な大きさの彼らを入れた私が悪いのだが。
●チワワマウンテンキングスネーク(L.p.knoblochi) |
まだ買ってきてからなにもしていないので、観察日誌と言ってもほとんど書くことがないのだが、一応購入日をハッキリさせておくために記録しておく。
昨日(8/1)にハチクラにて購入した、チワワマウンテンキングスネークのペアである。このチワワと言う名は、生息地の名前らしいのだが、どうしても犬のチワワを彷佛させるので、名前を早急に決めることにした。まぁ、チワワはともかく、早く名前を決めて個性化しないと、やまちゃんのイメージを我々の頭から払拭できないと言うのが、正直な話である。
で、名前であるが、オス(だろうと思われる個体)をノブ、メス(だろうと思われる個体)をロッチーに決めた。単純に学名からだ。
この2匹は生後8ヶ月と言うことだが、全然小さく、特にノブ(オス個体)の方の首の細さと言ったら……うぅ、やまちゃんのようだ。
2匹を並べてみてもノブよりロッチーの方がかなり安心感がある。購入の際、衛生管理部長もオス個体の方がかなり不安である、と言うことで、店長にお願いして給餌してもらった。元気の良い活ピンクであるにもかかわらず、ロッチーはすぐに食らい付き、あっという間に飲み込んだ。こちらは一安心。しかし、ノブの方はやはりちょっと食い渋る感じがあった。ただ、冷凍ピンクに餌づいているからで、活ピンクを怖がったのだろうとハチクラの店長が言っていた。その言葉を信じて購入に踏み切ったのだ。
ただしかし、カプアスでやまちゃんが見せた拒食的態度とは根本的にやる気の違いが見えたので、あまり不安はない。
給餌後すぐに持ち帰ったため、帰りの車中での温度変化や、振動などが心配だったが、一夜明けた今朝になっても吐いたりしていないので、今回の給餌は成功だったようだ。今後、私の手により、上手く給餌できればさらに安心感も増す。狙いは繁殖であるから、給餌ぐらいでビビっていてはしょうがないのだ。
それどころか、チワワの繁殖までには私もカリキンのベビーなどで、幼蛇の給餌・育成方を掴んでおかなくてはならない。なにせ、この手のマウンテンキングの生まれたての幼蛇は驚く程小さいらしいのだ。
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