ヘビの飼育日誌 vol.14 [1999年10月13日〜11月15日]




カプチーは丸顔だ。

10月13日(水)
 先日、ハチクラでマウスのペアをついに購入した。ピーチの餌を取るためだ。
 これは活ピンクの値段がどうこうではなく、活ピンクを生かしておいておく事ができないため、週に2回ハチクラに行かなくてはならないと言う不経済かつ時間のかかる現状を打破するために購入したのである。
 とりあえず1ペアのみの購入で、このペアが産んでくれるピンクマウスでハチクラに行く回数を抑えようと思っている。まぁ、うまく殖えてくれればの話であるが。
 そのピーチであるが、やはり活ピンクしか食べない。しかもまだ小さいので本当に小さなマウスしか食べる事ができず、週一回ではちょっと不安なのだ。
 しばらくは活を食わせ、多少なり大きくなってから冷凍餌に餌づかせて行く予定だ。



ロッチー。写り悪し……。

 昨夜(10/12)は蛇達の脱皮が重なった。
 メモはとってあるのだが、テキストの入力を会社で行っているので思い出すのも難しい。
 ざっと記しておくと、お嬢、ジゴロ、たま子、小町の4匹だったか……。体長も計測したのだが今は手元に資料がないので、後日記することにする。
 次は多分、マリオとポチ子だ。
 そして今回は、なによりジゴロの脱皮が順調に済んでホッとしている。タランチュラでもそうなのだが、大きく育った個体は脱皮の兆候を見せてから脱皮するまでの期間、いわゆる「脱皮期間」が長い。
 私は蛇のそれを体験したのが初めてだったので、しかもそれが調子の悪いジゴロだったから余計に不安だった。綺麗に皮を脱いだジゴロは、頭の傷も回復しつつあり、餌食いも回復した。
 餌食いそのものは、ウッドシェイブが効いているのだろうと私は思っている。



ケージをうろつくマリオ。

 去年から飼育している個体について、お嬢とカバヴーを除く全個体の餌食いが悪く、時に全く食べないと前回書いたが、結局、私自身は私の予想が正しかったと確信するに至った。
 というのも、2、3日前からシェルターを設置したしろてんと、ウッドシェイブに潜る事で落着きを取り戻したジゴロが餌を食うようになったからである。
 昨晩の給餌ではそれらの事がかなり明らかな特徴をもって展開した。
 まず幼体の個体群(サイズ範囲:30cm〜50cm)。これらはピーチを除くと完全に冷凍餌に餌づいており、食べ盛りとも言うべき状態に差し掛かっている。現在、大きなケージにいる者には巣箱のシェルターを使用し、小さなケージの者にはウッドシェイブと植木鉢シェルターを使用している。これにより落ち着いているこれらの幼体達は脱皮直前でも給餌に応じる。今回特徴的だったのは、脱皮前で眼が真っ白になっているマリオが多少の抵抗は見せたものの給餌に応じた事、そして更に、脱皮直後(多分5分以内)であった小町がまるで抵抗無く食欲を見せた事である。
 その他、同サイズのノブとロッチーもタイミングが少々きわどくはあるが、脱皮前後の給餌に応じる事も確認できている。
 これらの特徴から、育ち盛りにさしかかったキングスネーク(カリフォルニア、ヌエボレオン、チワワマウンテン)は脱皮前後でも食欲を見せ、給餌に応じると言う事が分かった。
 次に亜成体の個体群(サイズ範囲:50cm〜90cm)。私が分別する3つの段階の中で最も餌食いに神経を使わないで良いと判断される個体群がこれである。(断わっておくが、もちろん「無神経」を認め、推賞し、蛇に強要するものではない。神経はつねに使うべきである。ここに記すのは私のミスから得られた経験上の知識である。)
 これらの個体群は、乱暴に言えば、何もしなくても、何も考えないでも食べてくれる。事実、我が家の亜成体個体群のケージにはシェルターもウッドシェイブも入れていない。
 そもそもこの飼育スタイルでこの亜成体サイズが問題無く飼育できてしまうために、今回起きた一連の「成体拒食問題」の原因に気付かなかったと言うか、原因そのものを見失ってしまった訳である。そういう意味でも無神経ではいけない。
 話を戻すと、我が家ではにこたんやたま子、カプチーなどがあげられる。半年前で言うと、拒食していたしろてんやお嬢、ジゴロがやはりシェルターなしでも餌食いは抜群だった。
 この頃のキングスネーク(カリフォルニア、ヌエボレオン、プレーリー、メキシカンブラック)は、食う事にどん欲で、とりあえず他の事は構わないと言った状態を示すようになる。餌食いも拒食の心配どころか、過食の心配をしなくてはならないほどだ。
 もちろん脱皮前後でもまったく問題の無い食欲を見せる。
 そして最後に成体の個体群(サイズ範囲:90cm以上、もしくは各種の成体サイズ)であるが、これが今回、問題であった。
 どういう心境の変化が蛇達の中で起きるのかは想像しえないが、90cm前後から100cm以上の成体サイズになると、ある意味「守り」に入るのだろうか、育つ事より落着きを求めるような特徴が認められる(カリフォルニア、ヌエボレオン、メキシカンブラック)。
 我が家ではカリキンのしろてんと、ヌエボレオンのポンチョ、そしてブラックメキシカンのジゴロが拒食した。
 その内、しろてんにはシェルターの設置、ジゴロにはウッドシェイブ(すっぽりと潜れる程の量)をケージに入れる事で、それぞれ食欲が回復した。
 観察により、両個体が眼に見えて落着きを取り戻した事が解った。
 現在、ヌエボレオンの成体サイズ個体であるポンチョが拒食中である。このポンチョが入っているケージにはシェルターはおろかウッドシェイブの使用も無く、身を隠せる所がまるで無い。拒食原因はそのための神経症みたいなものであるはずであるから、近い内にシェルターを用意し、飼育状況を改善しようと思っている。
 シェルターの設置によりポンチョの食欲が回復すれば、ますます私は自身の判断に確信が持てる。
 少々、知りすぼみな検証ではあるが、結論を言えば、「蛇にシェルターは不可欠」と言う事だ。ずいぶんとまぁ、長い前フリだったわりには、なんとも腑甲斐ない結論だ。



これは、ノブ……かな?

 私自身、この一年で飼育動物が類・種を問わず数がふえ、その対応に追われていた。手抜きをしているつもりは無いと強がってみても、やはり様々な場所に細かくシワが寄っていた訳である。
 蛇の飼育に関して前々から計画していた自作ケージであるが、とりあえずこれから冬眠に向けて、冬眠する個体群には大型のプラケとシェルターを購入しようと思っている。
 その後の経過によっては、キングスネークはそのまま大型のプラケで飼育する事になるかも知れない。このあたりは不透明な状態である。


 しろてんの拒食状態を打破したニューアイテム、それが小鳥のヒナを入れておく用の木箱だ。
 この木箱、一辺が20cm程で、高さは10cm弱、伏せて置くとうまい具合に入口としてそのまま使える切れ込みがある。しかも価格は500円程度だ。
 私はこのヒナ用木箱を発見した時、脳天から背筋に電撃が走ったのを憶えている。「これだぁ!」と。まさに「味知るの眉」も上がろうというものだ。
 写真が間に合うか解らないが、蓋と横にある柵(?)を外し、伏せて置く事により、素晴らしくお手軽で簡単で安価な並蛇用シェルターの出来上がりなのである。このカスタムストレスのなさと安価さが重要で、これならもし汚れてどうしようもなくなったらすぐに買い替えられる。ハチクラなどにある改造植木鉢は結構値が張るので迷っていたところへこれを見つけてしまっては、抵抗のしようもない。
 しかしても、しろてんを筆頭にしたキングスネークの成体が現状よりもはるかに大きくなってしまったら、この木箱では間に合わないと言う不安要素もあるが。
 まぁ、とりあえずジゴロとポンチョ、そしてお嬢とカプチーにもこのシェルターを用意しようと思っている。



10月14日(木)
 昨日の記録では資料が手元に無くて記せ無かった各個体の体長(脱皮殻計測値)を記しておく。
 10/12に脱皮した蛇は、小町(カリフォルニア)、たま子(カリフォルニア)、お嬢(プレーリー)、ジゴロ(メキシカンブラック)の4頭である。……おぉ、私の記憶力もまんざらでは無いじゃないか。
 それぞれのサイズは、小町:47cm、たま子:51cm、お嬢:113cm、ジゴロ:115cmであった。
 驚いたのはお嬢よりジゴロの方が大きかった事である。見た目はお嬢の方がずっと大きく見えるのだ。まぁ、それだけ太っていると言う事なのであるが。
 昨夜はピーチに活ピンクを与えた。前回は活ピンクにも少々抵抗を見せたピーチだったが今回はすぐに食べてくれた。
 となりのケージではマリオが脱皮に入っている。多分、今夜か明日あたり眼が透明に戻り、もう1、2日後に脱皮だろう。



最近の蛇ケージ状況。

 最近、飼育部屋の中で蜘蛛が繁殖したらしく、やたらと子グモがいる。
 蛇のケージの中、ヤドクガエルのビバリウムの中、そしてなぜか餌用ショウジョウバエの瓶の中にも……。
 我が飼育部屋には逃げ出したショウジョウバエがたくさんいるので、この子グモたちはそれを食べて育っているようで、数は少ないが中には結構なサイズまで育つものもいる。
 まぁ、今のところそれほど害があったりするわけではないのでほっておいている。ただ、蜘蛛の巣の下に蜘蛛の糞が落ちて床がよごれるのが、ちょっと嫌だ。



10月29日(金)
 やはり食べない。
 デカい連中の食いがすこぶる悪いのだ。
 しろてん、ポンチョ、ジゴロ、みな食べない。しろてんとジゴロはそれでもこの前食べたのでまだいいが、ポンチョは2カ月以上食べていない。



11月15日(月)
 そろそろ来年ブリーディングを狙っている連中を冬眠させなくてはならない。しかし、実際には何をすれば良いのか迷うばかりで、まだ何もしていない。
 寝かす連中は最初の年に飼った、しろてん、ポンチョ、ジゴロ、お嬢、カバヴーと今年飼ったカプチーの計6匹である。
 さて、この6匹をどこでどうやって眠らせたものか??? それが当面の問題だ……。


 一昨日と昨日、蛇ケージ製作プロジェクトの為に、加藤攻武天(こうむてん)の二人組が泊まり掛けで我が家にやってきた。今年の初めから、いや、ともすると去年の終わりくらいから、話だけは動いていた蛇ケージ製作プロジェクトがついに動き始めたのだ。
 そして、秋晴れの11月13日・14日に、その遅々として進まなかったプロジェクトが突然動き、加藤攻武天(こうむてん)の頭領である鶏冠親方、そして一番弟子(?)のフウタさん、それに私と衛生管理部長の4人で、蛇のケージづくりが行われたという訳である。
 当日、私が適当に書いた「想像図」を元に、鶏冠親方が紙と頭の中にそれぞれ半分ずつぐらい図面を書き、製作開始。
 まず近所の島忠ホームセンターでコンパネと薄ベニヤ、柱となる角材と、ネットやビスなどの金物、そして防水スプレーを買い揃えた。
 我が家に帰りつき、すぐに想像図と親方の図面から、改めて板に切取線が引かれてゆく。その親方の指示に従って、板を切り出し、窓穴をあけ、ネットを張る。
 しかし、一見順調に見えたケージ製作だったが、箱型に組もうとした瞬間、重大なミスが発見された。なんと、左右の板のサイズが違うのである。片方の板が30mmも小さい。
 窓穴をもう一度あける手間を嫌った私が、なんとか強引にその板を使おうと主張したのだが、最終的にその意見は退けられ、横板はもう一度正しいサイズで作り直された。しかし、出来上がってみると横板を作り直して正解だったと、そこにいた誰もが胸をなでおろすこととなった。
 第一日目は製作開始から4時間後の午後8時過ぎに作業を終了した。残る作業は、前扉の設置と防水スプレーの塗布だけである。
 明けた次の日、この日も天気が良く作業は順調に進んだ……かに見えるが、実は色々と乗り越えなければならない問題も発生した。
 それら全てを親方のテクニックと弟子のサポートと私の怒号で乗り越え、ついにケージは完成し、最後に「加藤工務店」の銘を入れ、防水スプレーをケージ全体に吹くと、全ての作業が終了した。


作業中の親方(写真上)と完成したケージ(写真下)。

 この日は朝11時から作業を開始し、午後2時に終了。二日間の合計作業時間実に7時間、設計・買い出しの時間を含めても約8時間。なんというスピーディさだろう。しかも構想は一年……う〜ん、グレイト。
 出来映えは写真を見ていただければ解るだろう。色んな意味で素晴らしい。
 サイズは横と奥が45cm、高さは40cmである。
 今回はテストケースであり、予算も出さずに製作したので、約8000円程かかったが、手間を鑑みても、この価格なら市販のものを買うよりお買得感は高い。
 このプロトタイプの反省点を活かし、開発を続ければより良いものを作ることが可能である。しかも更にリーズナブルな費用で。
 今回の作業を手本とし、私は私なりにケージを作ってみようと考えている。鶏冠親方は親方なりにまた作るであろうから、この試作品からどれほどの物ができるのか、お互い楽しみでもある。



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