ヘビの飼育日誌 vol.17 [1999年1月24日〜2月1日]


1月24日(月)
 ちょうど一月前に、関根さんのお宅から、ブラックアルビノのコーンスネークがやってきた。まだ幼蛇で、可愛い盛りであった。コーンスネークには少々抵抗があったのだが、今はかなり興味を持ち始めている。しかし、コーンをやるとしても数を無闇に増やすことはせず、狙いを絞っていこうと思っている。
 いずれは、ジャングルコーンなども作ってみたいと思っているので、この蛇室でコーンの記録も付けていくことにした。
 当日はいつものように関根トロピカルワールドを満喫し、あまつさえピザまでごちそうになってしまった。そんな楽しい一日の中で、私は蛇の冬眠に付いて関根さんに相談し、実際に冬眠させている状態も見せていただいた。
 それをみせてもらってかなり心のしこりがほぐれた。とりあえずやってみよう……と。


 次の日、昼間の内にしろてんとお嬢、ジゴロ、ポンチョ、カバヴーの5匹を飼育部屋から出し、2階の空いている部屋の押入れに入れることにした。この部屋は、最高最低温度で15℃〜25℃。これから下がっていくにはいい感じだ。
 キッチンペーパーだけだった床材をウッドシェイブに替え、シェルターと水入れを入れて、押入れの奥に蛇達をしまう。少々不安だったが、一月経った今、蛇達は静かに眠っている。
 ここ最近の最高最低温度は9℃〜16℃、もう少し下がっても大丈夫だろう。今年は暖冬だそうだが、この程度で済むなら毎年暖冬にしてもらいたいものだ。しかしそれでも、一度は雪が降っている。その日でも9℃よりは下がらなかった。果たして、このまま無事にいい温度を保っていけるだろうか?


 飼育部屋にいるなかでも、ポチ子は餌を食べず休眠状態だ。冬を感じ取って食べないのかも知れない。そういえば、身体も大きくなってお年頃と言えばそんな感じもしないでもない。
 カリキン雄の有望株、唯一のアダルトオスであるカプチーは、まだガンガン餌を食っている。それでも今はまだあまり大きく育てることができていないのだが、餌やりは今月いっぱいにして、来月頭から温度を下げ、中旬ぐらいには冬眠を開始させようと思っている。
 ポチ子は今年はこのままにし、ブリーディングには使用せず、食いが戻ったら成長させて、来年ブリーディングすることにした。とりあえず拒食状態が順調に回復することを祈っている。




我が家のカリキン達。左上:フィフティの隊長(オス)、右上:ハイホワイトのたま子(メス)
左下:ハイホワイトのチロル(オス)、左下:噛んでるチロル。

 チビ達はだんだんみんな育ってきた。ピーチもマリオも来た当初よりはかなりしっかりしてきたと思う。我が家に来た当初は2匹ともかなり小さかったし、ピーチにいたっては餌づいてさえ居なかったのだ。それが今ではピンクを差し出すと飛びついてくるまでに成長した。本当に感慨深い物がある。やはり思うのは「ピーチが死なないでいてくれて良かった」ということだ。あんなに弱々しかった彼女を、殺さずにすませることができたのには、やはりやまちゃんとマンダムで味わった苦い思いでがすくなからず効いていると思う。


随分太くなったマリオ。


 今でも彼女は活マウスしか食べないが、それでも生きていてくれればそれでいい。それもこれもひとえに関根さんが活ピンクを安定供給してくれているお陰である。
 その関根さんの活ピンクを食べて、ピーチもマリオも、たま子も、隊長も、チロルも小町もブイヨンも、みな順調に育っている。ガラス温室が導入されるまで、少々寒そうにしていたカリキンのチビ達は、温室にはいるや否や活発な食い気を取り戻した。
 最近は、新たに蛇を購入したいとは思わない。私の感情の湖は、欲求がおさまり、湖面は静かで底は深くなっていくという感じだ。そりゃ、今、眼の前にベトナムビューティーの幼蛇や、マンダリンの幼蛇を差し出されたら、生唾をかなり飲み込むハメになるが、こと、キングに関しては落ち着きつつある。
 その他と言えば、今もっとも手に入れたいのがシシバナのアダルト雌、それも春には産卵可能な個体であるが、そんな都合のイイ個体はそうそう居ない。まぁ、今年は無理だろうから一年かけて探せばいいかと思っている。
 昨日は久しぶりに蛇達のハンドリングを楽しんだ。チビ達は腹が減っているので、みな噛み付いてくる。中には一度噛み付いたらいつまでもはなさない者もいた。
 ブイヨンだけは、視力が弱いのか狙ってこない。しかしこいつも随分太くなったものだ……。
 今はとにかく、蛇は調整の時期である。計画を練り、実行し、計画と現実の誤差を調整する。そうやって春にむけ、ちゃくちゃくと進んでいくのだ。




2月1日(火)
 ここ最近は飼育部屋の乾燥が激しく、蛇達が軒並み脱皮不全を起こしている。Yahoo!掲示板で訊いたところ、霧吹きやミズゴケ入りタッパーを試してはどうか? というアドバイスをいただいた。
 真っ白な身体で喘ぐ蛇達を前にして躊躇している暇は無く、明日にも脱皮と言う2匹にはミズゴケ入りタッパー設置&霧吹きし、近々脱皮体勢に入りそうな2匹にミズゴケ入りタッパーを設置してやった。
 するとみながみなタッパーに入っているでは無いか。これほどとは、正直言って驚いた。こんなに我が家の生き物達は乾きに苦しんでいるのかと。
 順次、他の連中にもミズゴケ入りタッパーを設置してやろうと思っている。今はプラケが小さすぎる連中が多いので、少し大き目のプラケに替えて、そうしてから設置しよう。




 ブイヨンが、前回の給餌で吐いてしまった。ピンク2匹を楽に飲めるようになったので、ファジー1匹+ピンク1匹にしたところ、ファジーが大き過ぎたのか給餌の翌朝、吐いてしまったのだ。
 以前も沢山あげたら吐いてしまったことがあるので、もしかするとブイヨンは胃腸が弱いのかも知れない。他のカリキンでは今までこれほど吐くと言うことは無かったからだ。もしくは、私がブイヨンの消化器を痛めてしまったとも考えられる。極小さな幼蛇時に量を間違え、吐き戻しを繰り返した時に弱らせてしまったのかも……。
 とにかく、今後はもっと気を付けて給餌を行わなくてはならない。
 先日の給餌では3ヶ月程食べなかったポチ子が久々に餌を食べてくれた。ホッパーを2匹、無事に飲んでくれたのだ。痩せてくる様子が無かったので、季節的なもので勝手に休眠期間に入ったのだろうと判断し、無理に餌を与えなかったのだが、最近いつもうろうろしているし飼育部屋で放した鳥がケージの上に乗ると狙っているような様子を見せるので、今回与えてみたのである。
 これで軽く冬眠を経験したポチ子であるが、今年の暮れになってまた同じサイクルを繰り返してくれれば、私の方もやりやすい。
 そして最近、カリキン雄のカプチーがぐんぐんと大きくなってきた。こいつはとにかく噛んでくるので落ち着いてハンドリングもできない個体だが、見た目として随分大きくなった。前回の脱皮直後は「しろてんにコイツではちょっと頼り無いかも……」なんて思っていたのだが、餌を与える度に大きくなり、ここにきてかなり有望と思えるようになった。
 今回の給餌は1月29日であったから、今後は餌を切り、しっかりと排泄させてから冬眠させようと思っている。カリキンの冬眠日数の目安は50〜60日であるから、1/29を最終給餌として餌を切り、排泄期間として1週間、2/5から徐々に温度を下げ、2/12ぐらいから完全に冬眠開始。そこから50日というと3月31日! ……春が遅いことを期待するしか無いか。
 とにかくここからは気温との勝負になりそうである。現在冬眠中の連中がいる部屋も日中の最高温度で20℃に達してしまう日がある。最低温度は9℃が今までで一番低いのだが、最高温度が高すぎるので今度の週末あたり別の部屋に移そうと思う。こいつらを移動したあとへ、カプチーをつれてくればいいだろう。



やっと冷凍餌も食べるようになったピーチ。

 8月の26日から5ヶ月の長きに渡って、冷凍ピンクを食べずに我々を悩ませたピーチが、ついに冷凍ピンクを食べてくれた。
 先週の給餌から1週間、最近ではかなり積極的に餌を欲しがるようになっていたピーチに「今度こそ」と思い、冷凍ピンクを試したところ、やはりなかなか食べなかったもののしばらくそっとしておいたら、なんとか食べてくれた。
 一応、鼻先と股間部分の皮を剥いてから与えた。というのも、ピーチは活マウスの股間をいつも嗅いでいるからだ。もしかすると尿の匂いに反応しているのかも知れない。まぁとにかく、そうこうしているうちに、やっと冷凍餌を食ってくれたので安心している。
 ここでも改めて、活マウスを安価で供給してくれた関根さんに御礼を言いたい。


 ふと、来年の今頃の事を考えてみた。
 我が家の蛇達が順調に育ったとして、みんなをブリーディングしうまく子がとれるとしたら、一体どうなってしまうのか? いやまさに、「とらぬナミヘビの皮算用」であるが、順をおって、箇条書きにしてみたい。
●しろてん×カプチー=デザートバンデッド、クレイジー、アベラント
●ポチ子×隊長=フィフティ、アベラント
●にこたん×ブイヨン=デザートストライプ(ヘテロ)、アベラント
●たま子×チロル=クレイジー〜ハイホワイト
●小町×チロル=クレイジー〜ハイホワイト
●ピーチ×マリオ=オレンジピーチ・ヌエボレオン
●ロッチー×ノブ=ノブロッチマウンテン

 他にもコーンとカリキンをかけてジャングルコーンとか、キングのハイブリもできればやってみたい。
 とすると、7ペア+αがブリーディングできると言うことになり、それらが順調に卵を産んだとして、中には2クラッチいけるのもいたとしたら、産卵数はおよそ60〜80近くになる。
 これは完全に机上の空論だが、そうなったらスゴイ。8割孵化したら50匹前後は子蛇が生まれることになり、キングだから当然ケージも50個、水入れも敷き紙も餌やりも50……うぅ、嬉しいような苦しいような。
 しかしただ、ワクワクはする。50匹は上手く行き過ぎの数だろうが、今年のやり方次第で来年への布石も打てると言うものだ。
 今年は多分、しろてんとカプチーのカリキンデザートフェイズペアがメインになるだろう。バンドの雌とクレイジーの雄だから、多分バンドを主としたバリエーションが生まれるはずだ。しろてんもカプチーもどんな因子を持っているのか、今までのブリーディング経緯が解らないのではっきりとは言えない。ただやはり、雌の形質の方が子供に影響するらしいので、バンドよりのものが多くなり、そこからアベラント、そしてクレイジーまでが生まれるだろう。はたして、どんな子達が生まれるのか非常に楽しみだ。


ノブとロッチー。



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