タランチュラの飼育日誌 vol.02 [1999年3月17日〜3月19日]
身体はかなりデカいのだが。
1999年3月19日(金)
しまちゃんに元気がない。真っ暗闇の中をまったく手探り状態で進んでいたにもかかわらず、その時掴んでいた細いロープさえ放してしまったような気分だ。
乾燥しているのか、湿度が高すぎるのか、温度が低いのか、それとも高いのか、またはケージが狭いのか、これらは結局、経験がものを言って初めて解明できるものであろうから、とにかく解っている事、できる限り最善と思われる事をやっておくしかないのが我が研究室の現状だ。
もうすこし元気に餌をとってくるとこちらも安心できるのだが、脱皮後すぐと言う事もあり、それでナーバスになっているのかも知れない。……ナーバスになっているのは私の方なのだろうか。
まるで遮断機のような脚。
●しまちゃん(Poecilotheria regalis)
先日脱皮を終えてイマイチ元気のないしまちゃんである。ケージを広くしてみたのだが、その成長ぶりからすると対比的には狭くなっているのだ。
もっと一気に大きくしてしまって、最終サイズを飼育できるような大きさのケージにしてしまおうかと思いつめる日もあるが、今のところ不安・不満を抱えつつも現状に甘んじている。
脱皮後2日目で餌をとったしまちゃんであるが、その後は食べない日が続いている。早く元気になってもらいたい。
コオロギを食べているストレイトホーンド。
●ツノくん(Ceratogyrus cornuatus)
巣もだんだんきちんとしたものになり、順調に建造されている。コルクシェルターの具合から、ウサンバラとは違って巣穴の入口は一つしかないが、ウサンバラの方も塞ぎたいついでに入口を作ったと言う感じなので、特に入口の数が多いのを望んだと言う訳ではなさそうだ。
ツノくんはその巣と別に、巣から一番離れた場所を選んでプラケの角にも穴を掘り始めている。この穴と、現在の巣穴を繋げようとしているのかは不明だが、それらの変化を観察するのはなかなか興味深く、刺激も多い。
飼育開始翌日からの餌食いには目を見張るものがあり、ウサンバラよりも食欲がある。
お腹も順調に膨れてきているので、思いのたけ巣を張ってもらいたいものである。
ウサンバラの巣の出来具合。
巣の入り口をつつくと出てくるが、何も無いと解り次第、すぐ帰ってしまう。
●ウサンバラ(Pterinochilus sp)
巣穴の製作は一段落したのか、今は掘り進めている様子がない。
到着した当時はほっそりしていたお腹もかなり膨らんできた。それもそのはず、彼は我が研究室に来てから、Lコ2匹、Mコ4匹を平らげているのだ。
しかし、なんにしても食欲があるのは嬉しいし安心できる。ともかくお腹が膨らんだので、安心度はかなり増した。
このまま一気に脱皮まで突っ走ってくれる事を祈るが、あまり大きくなられると、いったいどんなケージに入れれば良いのか困惑させられる羽目になるだろう。
あの素早さ、攻撃的な性格、かなり怖い……。
この暗い穴にコオロギは吸い込まれてゆく。
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