飼育日誌 vol.01 [1998年5月30日〜6月6日]




ついに念願のキングスネークを購入。

5月30日(土)
 今日ついに、爬虫類倶楽部でキングスネークを購入した。Lampropeltis getula californiae の幼蛇である。
デザートバンデッドと呼ばれる、黒と白のバンドが美しい、比較的ポピュラーな品種である。ま だ体長が40cm程で可愛い顔をしている。衛生管理部長が一目惚れした個体だが、鶏冠さんも狙っ ていた個体でもあり、悪い事をしてしまった。大切に育てるので許していただきたい。
 今日は爬虫類倶楽部からパウパウへ流れて、最後は焼き鳥屋で飲み会となったので、キングス ネークのケージは爬虫類倶楽部で売っていたままのプラケである。もう少し広い方が良さそう なので、明日には色々考えるつもりだ。
 キングスネークは手に入るし、飲み会は楽しかったし、 大満足の一日であった。



写真のケージは新設前。

5月31日(日)
 今日はキングスネークのケージを新設した。平たくて大き目のプラケに人工のシェルターと、 枝っぽい流木、それと枯れ葉をちらしてみた。ビバリウムにしてみようかなど、色々迷ってはみ たものの、CB個体でもあるし、初めての蛇なので管理面の利便性を重視してビバリウムにするの を避けた次第だ。したがって床材は、スッポンの化石さんお勧めのキッチンペーパーである。
 蛇の方はまだ落ち着かないのか、昨日急造した水入れに隠れてみたり、シェルターを出入り したり、流木に登ってみたりと、ウロウロすることしきりである。


6月1日(月)
 キングは落ち着いたようだ。流木の影でもなく、高価だった人工シェルターの中でもなく、床 材用に敷いたキッチンペーパーの下に嬉しそうな顔で潜って、こちらを見つめている。
 ちなみにこいつの名前は「しろてん」と名づけられた。後頭部に白い点の模様があるからだ。た だ、雄か雌かはまだ分からない。


6月2日(火)
 しろてんが糞をした。結構巨大な糞で、鳩の糞ぐらいはありそうである。キッチンペーパーの 上にしてくれたので、掃除はしやすい。
 そして今日、掃除と一緒に給餌を試みた。私にとっても、しろてんにとっても、我が研究室に やって来てから、最初の給餌である。緊張したのは言うまでもない。
 冷凍のピンクマウスを湯煎で温め、ピンセットで与える。
 まず、ケージの中から人工シェルター以外の装飾品を取り除き、しろてんの隠れているキッチ ンペーパーを、ゆっくりと半分ほどめくりあげ、お腹のあたりに「ピタ、ピタ」と軽く触らせる。
「?」
 一瞬、キッチンペーパーの影からしろてんの姿が消えた。「怖がっているのかな?」と、ピン セットでつまんだピンクマウスを少し引っ込めた瞬間、
「バシっ!!」
 っと、今、ピンクマウスがいた場所にアタックしてきた。
「ぬおっ?!」っと声を上げる。
 怖がっているのはヘビではなくて私の方だったのだ。つづけて第2撃がピンクをヒットした。
「シャっ!!」
 首を横殴りに振り、ピンクにアタックしてきたキングスネークだったが、食らいつこうとし た瞬間に失敗、ピンクはピンセットから弾き飛ばされ、ケージの隅に転がってしまった。
 興奮しきったヘビは続けざま、ピンセットめがけて次のアタックをしかけてきた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待てって!!」
 と、そんなことを口走ってみても、興奮したヘビに通じるわけも無く、しろてんはケージか ら身を乗り出してピンセットを追撃してくる。しかし、このヘビにしても、サラマンダーにし てもそうだが、なぜピンセットを餌と見間違うのだろうか?不思議でしょうがない。
「これはピンセットだっちゅ〜の!!」
 とか言いながら、そのピンセットでヘビをケージに押し戻し、押し戻されてヘビが怯んで いる隙に、うち捨てられたピンクを拾い上げ、しろてんの眼前で「ぷらぷら」させる。


ガブリ!!



「!」
「バクっ!!」「ング、ング、ング……」
 凄まじいとはこの事だった。


あっという間に飲み込んでいく……。

 こうして、キングスネークへの初給餌は、驚きの連続で幕を閉じた。
 いや、閉じたと思ったのは私だけだった。
 私は、餌を捕ったヘビは大人しくなるはず……と、根拠もなしに思い込んでいたので、マウ スがピンセットからもぎ取られた時点で自分の仕事は終わったと思い気を抜いていたのだ。
 しかし、しろてんの中に残された野生は、先のマウスを一瞬で飲み込み、次の獲物を求めて、 私を睨み付けてきたのだ。
 尾の先が「プルプル」と興奮に震えている。
 とっさに私はプラケの蓋を取り、ヘビが飛び掛かってこないうちに蓋を閉めてしまった。
 しばらくするとヘビの興奮は収まり、ケージに残ったシェルターへと入っていった。これで本 当に一安心である。
 その後、キッチンペーパーを新しいものに替え、流木と水入れ、そして枯れ葉をいれて、ケー ジ内を元どおりにして、全ての作業が終了した。
 ともあれ、初めての給餌が順調(?)に済んで、胸をなで下ろしている。



頭に白い点があるから「しろてん」。衛生管理部長殿の命名。

6月4日(木)
 しろてんは昼夜を問わず、けっこう活発に動き回っている。昨日ぐらいから、人工シェルター にも入るようになってきた。一昨日に食べたピンクが消化されたのか、今日糞をしていた。この 間と同じ場所にしているので、ヘビも空間を認識するものなのかもしれない。
 この前の糞よりも小さく、約1/3程の大きさしかないので、この次はピンクマウスを2匹与えよ うと思う。
 さて、給餌が済んだら次はハンドリングである。……頑張らねば。



ちょっと広くなったケージを気侭にお散歩。蛇の移動は非常にスムーズだ。

6月6日(土)
 今日ハンドリングに挑戦した。結果から言うと、まずまずだったと思う。
 ケージの掃除もかねて、全ての装飾品をどけ、キッチンペーパーを取り除いてから、ゆっくり とヘビの体に触れてみた。
 瞬間的に、ヘビは「ピリピリ」と尻尾の先端を震わせた。興奮状態だ。
 一度手を放し、再度触れてみる。今度はさっきよりましで、盛んに舌を出してこちらを探り 始めた。
 一瞬、「スルスル」と寄ってきて手には乗るが、それは手に乗ったわけではなく、通り過ぎ ただけだった。
 このままでは埒があかないので、片手でケージから出るようにヘビを押し、もう片手を出て きたヘビに差し出した。
 すると、嫌々ながらもヘビが手に乗ったではないか!!
 嬉しかった。なんだか妙に親近感がわいてきた。多分ヘビの方はそれどころではなかった ろうが。
 そして、いままで、見ていただけでは分からなかった事が、触れる事によって理解できた。ヘ ビは全身で物に掴まっているのだ。
 私はヘビの事をまるで勉強していないので、これは当たり前の事なのかもしれないが、枝な どを渡るヘビを不思議だと感じていたのが、その瞬間、ハッキリと答えを見つけられたのだ。
 ヘビは体の要所に「キュっ」と力を入れ、私の手に掴まっていた。巻き付いているわけでは なく、ただ、表面上は乗っかっているだけにしか見えないが、ヘビはその時、しっかりと掴ま っているのだ。
 それが分かって、なんだか感動した。と同時にヘビの怯えが伝わってきた。それを感じた直 後、手の上におしっこをされてしまった。よほど怖かったのか、興奮したのか分からない。そ の時、開いた総排泄孔を見る事が出来た。ヘミペニスが飛び出ていないので、多分うちの「し ろてん」は雌だと思われる。
 片手にしろてんを乗せたまま、手早くケージの掃除を終え、あらたなキッチンペーパーを敷 いて、流木、水入れ、シェルターを設置し直した。
「スルスル」と手から去っていくしろてんの後ろ姿が、名残惜しんでいるように見えたのは、 多分私の錯覚だろう。
 こんな感じで初のハンドリングは終了したわけだが、いろいろと発見があり、私としては多 くの意味で楽しかったのだが、ヘビの方ではそうでもないようだった。このショックで拒食な どしないといいのだが。すこし不安である。



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