飼育日誌 vol.01 [1998年6月28日〜7月2日]
飼育日誌 vol.01 [1998年6月28日〜7月2日]
「なに見てんねん!!」
6月28日（日）
今日、メキシカンキングと同時に、以前から購入を考えていたシシバナヘビの良質個 体に巡り逢い、ほとんど迷わずに飼育を開始した。
ちょっと現金な話だが、これにより給料日から3日しか経っていないのに、家計は突如 として火の車である。火どころか、熱で言えば核融合エネルギーなみの車かもしれな い（笑）。
それでも爬虫類倶楽部にて少しは悩んだのだが、店長に話を聞き、その時にハンドリ ングさせてもらってしまい（……といっても手に乗せた程度だが）、完全に購入を決意 してしまったのだ。
私はまんまと爬虫類倶楽部の店長の手玉にとられた（ハンドリングされた）訳である。
しかし、可愛い。なんて可愛いのだろう。
シシバナヘビの抱きマクラを作ればきっと飛ぶように売れることだろう。私は買う!! そ う、抱いて寝たいぐらい可愛いのだ。
爬虫類倶楽部で購入したのであるから、当然餌付き個体なのだが、移動や環境変化のシ ョックから拒食することもあるというから油断は禁物である。
写真は昨日のもの。怯えてちぢこまってます。
6月29日（月）
朝の少ない時間で見た限り、ハイドボックスに入ったきり姿を見せない。少々不安になる。
「ぼんやぁ〜」してます。
6月30日（火）
午後すぐの時間にはハイドボックスに入っていたが、夕方を過ぎると一度水入れに少し 浸かっていた。そのあと床材であるキッチンペーパーに潜ろうとし、しばらく格闘してい たが、結局キッチンペーパーには潜れず、ハイドボックスに戻っていった。
その後はまったく姿を見せない。給餌は明日にしようと思っているが、ちゃんと食って くれるか心配である。
「ゲェ〜ップ!!」
7月1日（水）
今日はずっとハイドボックスの外に出て、枯れ葉の下で丸まっていたシシバナであった が、時折水入れなどにも少しだけ浸かったりしていた。
夜、給餌を試みる。その時はまた枯れ葉の下に丸まっていたが、解凍したマウスを身体 に触らせると、のっそりと振り向き、本当にけだるそうに飲み込んでいく。
「なんちゅう、ルーズな食い方……」と思いながらも、ついつい笑ってしまう。
カリキンやメッキンは一瞬で食らい付くのだが、シシバナは本当に面倒臭そうに食いつく のだ。これが元来の姿ならいいのだが、調子が悪いのだとしたら……と、想像すると恐ろし い。それぐらいのんびりした食い方だったのだ。
しかし、長さの無いシシバナであったが、ピンクではもう小さいようだ。笑ったような食 い方で食い終わった後には「ゲップ」をするように口をパクつかせている。次からはファジ ーを与えてみようと思う。
「なんや、食い足りんわ……」「どっかになんか、ないかぁ〜？」
このシシバナヘビは「カバヴー」と名付けられた。
無論、「シシカバブー」からとったに違いないのだが、皆さんにもこの愛称で親しんでい ただけると幸いである。
「なに、メンチきってんねん、このハゲっ!!」
7月2日（木）
今日のカバヴーはハイドボックスに入らず、ずっと枯れ葉の下か、なんでもない所にい た。まず第一に気温が高かった為と思われる（※それでもクーラーを使用して温度を下げ てはいる。）が、もうひとつにプラケースの高さがないために安心しているのではないか？とい うことが考えられる。
私が使用しているプラケースは高さが低いため、蓋による遮蔽感が蛇を安心させるのかも しれない。単なる思いつきの仮説でしかないが、その証に蓋をとると急に緊張し身体を震わ せて呼吸が荒くなる。
スッポンの化石さんから、シシバナは後牙種で、微弱ながら毒を持っていると教えて頂い た。まず噛み付くことはないと聞くが、用心するに越したことはなく。特に何も知らぬ友人 などが遊びに来た際には、注意しなければ、と自分に念を押しておいた。
しかし、なんでいっつもスネたような顔なのか？
本当になんとも可愛いヤツである。
シシバナヘビは胎生であるから、いずれはペアにしてブリーディングに挑戦し、赤ちゃん を産ませてみたい。
こんな可愛いヘビの赤ちゃんとは、いったいどれほどの魔力でもって私を魅了してくれる だろうか……考えただけで背中の産毛が逆立ち、脳天まで電撃のような痺れが走る。……っ て、こんなこと言ってる私はヘンタイだろうか？
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