飼育日誌 vol.01 [1998年8月17日〜8月30日]




ついに、来た!!

8月17日(月)
 ついに念願のタランチュラを飼い始めた。
 そもそも、なぜタランチュラに興味をもったのかと言えば、それは投稿用の 小説のネタに使うためだった。それもたったワンシーンのために。
 ある日、資料用に「タランチュラの世界」を買ったのが、今思えば運命の始 まりだったのだ。
 その後、インターネットを通じて様々な人と出会い、タランチュラの飼育に ついての色々な話題、その魅力的な行動などについてを聞かされ、私は毒に浮 かされたように、毎日、毎晩「タランチュラ飼いたい〜」、「タランチュラ飼 いたい〜」と、唸り続けていたのだ。
 そしてついに、苦節6カ月、そのしつこさと熱意に我が研究室衛生管理部長 も根負けし、飼育を許可したと言う次第である。
 その名もインディアンオーナメンタルPoecilotheria regalis。
 そのタランチュラは、東南アジア最大ともいわれるそのサイズもさる事なが ら、攻撃性、毒性の強さからも、初心者には薦められない種であると言う のだ。
「……だのに、なぜ?」
 それは、このインディアンオーナメンタルを衛生管理部長が気に入ったか らである。
 そう、我が研究室においてはこの1種のみ飼育が許可されている状態で、 衛生管理部長より、他の種は一切飼育してはならないとの戒厳令が布かれ ているのである。しかし、私にはそれをまもるつもりはさらさら無い。
 衛生管理部長は私の知的欲求の強さを少々舐めていらっしゃるのだ。
 こう書くと誤解を招く恐れがあるので、言わせて頂くと、私もこのインデ ィアンオーナメンタルを大変気にいっている。しばらくはこの1頭に専念し、 つぶさに観察したい。
 話が前後するが、購入時の状況を記しておこう。
 私は、今日の午後ハチクラにて鶏冠さんと待ち合わせ、個体選びにアドバ イスを頂いた上でさんざん迷った挙げ句、2頭いたうちの大きい個体を選ん だ。
 お腹がパンパンに張っているので脱皮が近いかもしれず、強い衝撃を与え てはならない……との警告を受け、それこそガラス細工を運ぶようにして、 大事に研究室まで持ち帰ったのだ。
 ラッシュで溢れかえる、電車およびホームにいる人々が全員敵に思え、研 究室に辿り着いた時にはどっと疲れがでてしまった。
 さて、数時間経って落ち着いた頃に、さっそく餌のSコオロギを与えてみ る。……が、食べない。まぁ、ほうっておけば食べるだろうと思い、そのま まにしておき、今夜からGeneさんのHPでスタートする「タランチュラ・スコ ーピオンチャット」に参加した。


チャットで脱走について、みるかし姫さんからアドバイスを頂いた。

 色々話を聞いている内に、生きたままコオロギを入れてはダメだと言われ、 ちょっと悄気たが、飼育一日目からこんなことではイカン!! と思い直し、試 験管からSコオロギをやっとの思いで取り出し、頭をピンセットで潰してか ら、崩れかけた巣に引っ掛けておいた。
 こうしておけば、夜行性のタランチュラは夜の内に食べることがあるそう だ。明日が楽しみである。
 というわけで、無事に当研究室もタランチュラの飼育を開始することができ たわけであるが、様々なアドバイスや、衛生管理部長の説得などにご協力頂い た、Geneさん、はこさん、鶏冠さん、鼈の化石さんにこの場でお礼を言いた い。




このお腹に、まだMコが2匹入る。

8月18日(火)
 昨夜与えたコオロギは、あとかたもなく食べられていた。
「もうはいるまい!!」と思われたあの腹が、さらに膨らんでいるのを見てビックリである。
 夜遅くになって霧吹きをしたら、水滴に寄ってきて水を飲んでいた。物騒に 見える牙を包んだ赤い毛の生えた口が、水を吸うためにピクピク動いている。あ たりまえの事だが、生きているんだなぁと実感してしまった。
 ちょっと怖い気もするが、はやく大きくなって欲しい。
 名前の方は、愛着を持っていただこうという私の思惑のもと、現在、衛生管理 部長に考えて頂いている所である。
 しかし、「タージマハル」とか「ナン」とか言い出す始末で、少々困惑させ られている。
 タージマハルはないだろう、部長!!




美しい!!


脱ぎたてほやほやなのか、まるでガラス細工のような透明感。


脱ぎ捨てた皮。


それを採集し、コレクションに。

8月19日(水)
 オーナメンタルが脱皮をした。驚いた。家に帰りついた時には完全に脱ぎ終って おり、昨日と同じように試験管の壁にはりついていた。
 昨日計った時は2.4cmだったレッグスパンが3.3cmになっている。まぁ、脚の伸ば し具合の誤差があるだろうが、それにしても5mm以上は大きくなっているだろう。実際 の見た目はそれ以上の印象で早くも試験管が狭いように感じられた。
 腹部及び頭部の模様がかなりくっきりとしてき、脚の縞柄も目立ってきた。  この次の給餌は土曜日の予定で、一応計画としては小さくきったピンクマウスの欠 片を与えてみようと思う。




色が濃くなり、毛がホワホワ。

8月20日(木)
 今朝になってみると体色が濃くなっていることに気付く。昨日までは腹の下側には 毛が無いように思ったが、今は黒い産毛が生えているようだ。ただ、まだ小さくて 良く見え無いのだが。そのなかで牙を覆う毛は赤く、非常に目立つ。
 それにしても可愛い。
 蜘蛛を可愛いと思えるか、蜘蛛が別段嫌いで無い方でも疑問を持たれるだろう。事実、 私も飼う以前は興味ばかりが先行し、その形質などに惹かれていたわけであるが、いや、 実際飼ってみるとまったく違う感覚が心に沸き上がってくる。
「可愛い」のだ。
 赤い毛に覆われた物騒な牙に噛まれれば、ただごとではすまないであろう相手。東南 アジア最大といわれ、極めて攻撃的だといわれる彼を、可愛いと思ってしまうのだ。
 それは理論ではなく、直感的なもので、ずっと感覚的で単純なものだ。簡単に言う と「毛がフワフワで、小さくて、動きがチョコマカしていて可愛い」のである。
 これは、嘘の無い今の私の心情だ。
 ちなみに、彼の名前が決定した。「しまちゃん」である。
 まだ、雄か雌かも分からないが、今後とも「しまちゃん」をよろしくお願いしたい。
 しまちゃん……もちろん、縞柄だからであるが(笑)。



8月23日(日)
 驚くべき成長率!!
 でかくなるのが早いとは聞いていたが、これほどとは。
 脱皮後3日経って、そのレッグスパンは4.0cmに達しようかとしている。金曜日にSコ を与えた時点では、それほど大きくなった気はしなかったのだが、土曜日から日曜日に かけて、自分の体長ほどもあるピンクの欠片を食べてから、みるみる大きくなったの だ。
 柄も濃く、ハッキリとしてきた。
 さて、この調子でいくと次はケージの問題が持ち上がってくる。早くアイデアを固め なければ。




写真でオレンジ色に見えているところに牙が隠されています。

8月30日(日)
 どうも、色々あって日誌がつけられない。とりあえず順調に餌を食い、大きくなっている。
 一回、ピンクの欠片を調子にのって大き目に切って与えたら食べないことがあったが、 コオロギに替えたらちゃんと食ってくれた。その後、1日おきにMコを2匹ずつ食っている。 頭胴長は2.0cmに達し、レッグスパンは確実に4.0cmを超えた。
 でもまだ雄か雌か分からない。柄はとても綺麗で、全身の産毛がカワイイ。……と言い ながら、いつまで「カワイイ」でいてくれるのか、ちょっと心配だったりもする(笑)。
 次回脱皮したら、ケージを新しくしようと考えている。現在、謎のケージを改造中で ある。乞う、チョットだけご期待!!




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