ヤドクガエルの飼育日誌 vol.08 [1999年4月6日〜4月26日]




いつもここから上って、金網蓋のフチのあいだに潜む。

1999年4月6日(火)
 前回の飼育日誌から2週間以上経っている。あれから結局90cmケージの改造はあまり進んでいない。それというのもプミリオが1匹になってしまったからだ。この小さなたった1匹を90cmのビバリウムに単独飼いというのもなかなかにして豪気ではあるが、やる気は急速にしぼんでいった。
 マルチ物欲人間である私は、ひそかにブロメリア熱がこうじてきており、温室をどうにか作れないかと思案中である。




目の前のハエに浮かれるレウコ。

●ケージサイズ:90cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.leucomelas×4匹

 私がペアかな? と思っていた個体は両方とも雄であった。まったく、情けない話である。仲良くシェルターに入っているのかと思っていたそれは、結局、シェルターの取り合いだったのだ。
 シェルターの数を増やしてみたのだが、どれも気に入らないのか誰もシェルターに潜るものはおらず、みな窮屈なネオレゲリアの葉腋で寝ている。デブった身体を押し込め、はみ出しつつ眠っているのだ。
 はぁ、夢の巨大ビバリウム、私も作りたい。




久しぶりのベントリ。

●ケージサイズ:45cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.ventrimaculatus×2匹

 新しいペアは順調に産卵を続けている。ちょっと前に卵を産んだネオレゲリア・ファイアボールの葉腋では2匹のオタマが生まれそうだったが、ちょっと気を抜いた隙に雄ガエルがどこかへ運んでしまった。河村さん曰く「毎日、人さらいみたいなのが虎視眈々と狙っていたら、それは親として当然の行動でしょ」とのことであった。……ごもっとも。
 その後、最近新しく植えたネオレゲリア・オレンジの子株(といっても高さ30cm弱)にも産卵した。ここでは面白い産卵形態が見られた。最初に3個産んでおいて、1週間ほどしたらまたそこに2個産んであったのである。これが何を意味するのかは、全て想像の域をでないが、その想像を逞しくするのがまた楽しい。でも、誰か事実を知っているのなら教えてもらいたい。
 先に産んであった方の3個は順調に発生を続け、昨日、その中の1つを孵化させた。卵を割ると、体長10mm弱のオタマが1匹元気にカップの中へ飛び出してきた。一応、強制孵化は成功した訳だが今後うまくいくかは解らない。残りの二つはそのままにしてあるのだが、どうなるのかがこちらも楽しみである。



●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm(+18cm)
 収容している蛙:D.pumilio×1匹

 プミリオは結局1匹になってしまった。一応、1匹は行方不明扱いになっているが、死骸が発見されないだけで、生きているとは思えない。
 残った1匹はヒヤヒヤしながら見守ってはいるものの、順調に太ってきたように思える。もう1匹の個体がいなくなる前の日、2匹は同じネオレゲリアの葉腋に入っていたのだが、それが喧嘩している証だったのかも知れないと、今さらながらに痛感している。
 私なんかの考えだと、1個体のテリトリーは、例えばネオレゲリア1株で充分だと思ってしまう。実際、観察しているといつも同じ葉腋にいる様子が見られ、それで満足しているように見えるのだ。しかし、事実はそうじゃないのかもしれない。カエルの方は一向に不満足なのだろう。
 よくよく考えてみれば、アピストやアフリカンでもあったことだ。自分以外の個体が見える限り、自分の巣に近づくもの、近づかないまでもそばにいるもの、それら全てを彼等は敵とみなして追い払い、勢い余って相手を殺してしまったりしたではないか。
 結局、カエルに対する認識が低かったのだ。そのテリトリー意識を甘くみていた。ましてや相手はワイルドの個体なのである。個体同士の姿が見えないぐらいの空間が必要なのは、私なりに積重ねてきた熱帯魚での苦い思いを思い出せば、当然考えられた事なのだろう。
 はぁ、いつのまにやら反省文になってしまっている。早く90cmのケージを完成させ、せめてもうすこし広いビバリウムに入れてあげよう。



●ケージサイズ:60cm×36cm×30cm(+18cm)
 収容している蛙:D.auratus×4匹

 こちらのビバリウムにもなにも手を加えていない。ここしばらくのあいだ、私は全然ダメ飼い主なのである。
 しかもある個体が虐められているのか、痩せて隠れる場所もなくさらし者のようにビバリウム前面に追いやられてしまっている。すぐに捕まえようとしたのだが逃げられてしまい、それから時々姿を見かけるものの、その度に取り出そうとしては逃げられている。
 他の個体も時々姿を見せるが、彼等はまだ健康そうに見える。心配なのはその個体だけなのだ。早めにビバリウムを改修して、シェルターを増やしてあげたいが、はたしてしかし、それだけで問題は解決するのだろうか?



●ケージサイズ:30cm規格水槽
 収容している蛙:チリアンステルツナ−ガエル×2匹

 かなり大きくなってきた。そしてかなり大食いだと言う事も分かってきた。その餌食い感覚は、ベルツノガエルなどに近く、かなり大きなコオロギも食べる。
 私は最近、彼等にハエを与えるのを控え、Sコオロギで賄うようにしている。この方がずっと健康そうなぶっとい糞をしてくれるからだ。
 それとともにビバリウムでの飼育に疑問がわいてきた。河村さんに言われた通りもう少し乾燥させて、水場を別にした方がよさそうである。
 彼等のケージもまた、要改修なのだ。
 このチリアンステルツナ−を見ていると、耳のあたりが膨らんでいるのが確認できる。毒腺は無いらしいのだが、あるように見える。カエルの王子である河村さんは、私に「楊子でつっつけ」と命令するが、私はできないでいる(笑)。



4月9日(金)
 オーラタスが1匹、かなりヤバい状態になった。完全に動かなくなり、咽が凹んで背中には腰骨が浮き上がってしまった。このままほっておいても死ぬのをまつばかりなので、急遽プラケにヤシパネルの欠片&ミズゴケ入りプラカップ(保湿用)、コルクシェルター、ポトスをいれて簡易のビバリウムをセットし、そこに収容した。
 しかし入れた翌日あたりから急激に痩せ、「もうだめだ……」とまで思われた。
 が、翌々日の今日、なんとかもちなおし始めたように思う。観察時間が短いため、断定はできないし、とつぜん状態が悪化して死んでしまうと言う事も考えられるので一概には言えないが、とりあえずは調子が良くなったように見える。
 ベントリの卵&オタマであるが、結局、最終的には最初の3個のうちの残りの二つも強制孵化させ、全てプラカップに入れてオタマ育成用水槽に浮かべた。
 どれも体長10mm前後の大きさだ。
 昨日クロレラを注文し、今日手に入ったので今夜から与えてみようと思う。今年は去年と違って一瓶だけ購入した。しかしてもやはり高い。物自体は500円なのだが、送料と税金で1500円かかり、合わせて2000円になってしまう。勘弁してくれ……。




死にそうなオーラタス。

4月12日(月)
 オーラタスはまた悪化してしまった。もうギリギリのラインまで来てしまったように思う。
 プラケの掃除を日曜日の夜にやろうと思っていたのだが、やはりプラケでは環境を整えるのが難しいと判断し、衛生管理部長の反対を押し切ってオーラタスをレウコのビバリウムに入れる事にした。
 コレはまったくの「勘」による処置だ。
 管理部長は「病気だったらレウコに伝染るのでは?」と危惧していたが、私はそうでは無いと判断した。これは長年の飼育経験に基づく「勘」なのだ。
 マンテラで悔しい思いをしたので、今回はその「勘」が知らせたままに行動をとった。きっとオーラタスは元気になるはずだ。
 ベントリのオタマは、3匹のうち2匹が死んでしまった。1匹は元気に泳いでいる。新たな卵が2個生まれそうになっており、その他にも3個卵が産んである。
 もうすぐ生まれそうな2個は結構元気そうだが、2、3日前に産んだ3個はもう真っ白になってしまった。
 話は変わるが、11日の日曜日に瀬山さんと関根さんが我が研究室にいらっしゃった。瀬山さんからは、お土産としてオーラタスを2匹頂いた。せっかく頂いたオーラタスが元気に暮らせるよう、近いうちに60cmのビバリウムを改修しようと思っている。これはまぁ、正直言って前々から「思う」だけは思っているのだが、なかなか手が付けられずにいたのだ。今度こそ本当にやろうと思う。
 せっかく両氏が来てくれたのに、いつもはうるさいくらい鳴いているレウコが全然鳴かず、鳴き声を聞いてもらえなかったのが残念であった。




ガラ1。


ガラ2。

4月26日(月)
 オーラタスは結局消えてしまった。レウコのビバリウムのどこかで死んでしまったんだと思う。とても残念だ。
 先日、WildSkyにいろんな矢毒が入荷し、そのうちのいくつかの種の魅力に負けて、購入してしまった。我が家はかなり火の車である。
 購入したのは3種2匹ずつ計6匹であるが、現在我が家に連れてかえってきたのはD.galactonotusのオレンジフェイズ2匹だけだ。
 このガラクトは濃いオレンジ色が背中だけでなく、脚にまで乗っており、とても綺麗だ。一応、フィンガーパッドで雌雄を見分けられるはず、ということで雄らしい個体と、雄らしくない個体を選んできたが、実際どうなるかは解らない。
 その他には、D.ventrimaculatusのパングアナと、D.ramasiを2匹ずつ売約にさせてもらっている。
 この4匹用には、それぞれ45cm水槽でビバリウムを組んだが、ビバリウムを組んだその日にカエルを連れてきてはいけない。ということを、前回のマンテラ・リードフロッグ死亡という最悪の経験から学んだので、松園さんに「取り置きしといてください」と、わがままを聞いてもらっている。




ガラとレウコの様子。

●ケージサイズ:90cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.leucomelas×4匹/D.galactnotus×2匹

 レウコが毎朝、毎夕けたたましく鳴いている。まるでドリルのように。
 ドリルのような鳴き声とは、これいかに? と思われるかも知れないが、「リュリュリュリュリュ……」という声がまるでドリルのようなのである。
 だが、産卵には至らない。少なくとも私が見ている限り、産卵している様子はまるでない。
 昨日、WildSkyで買ったガラクト2匹をこのビバリウムに収容した。しばらくのあいだつぶさに観察してみたが、喧嘩をしたりする様子はない。餌のコオロギも入れた途端に食べてくれていたのでちょっと安心した。
 ハチクラなどでガラクトを見ている時は隠性がかなり強いな……と思っていたが、我が家でどうなるか、なかなか楽しみである。
 イエローとレッドは良く見かけるが、オレンジと言うのは珍しく、しかも後ろ足にまでしっかりと色が乗っていて、とても美しい。
 ただ、私の目算通り、どちらかが雌だった場合、発情したレウコの雄とかかってしまわないか、少々心配である。
 資金の目処がたち次第、ガラクトを分けたいと思っている。



●ケージサイズ:45cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.ventrimaculatus×2匹

 産卵は順調に続けているものの、相変わらずオタマは育たない。
 一度、大き目のタンクにオタマが2匹育っていたんで、しばらくほっておいたら、何度もそこに産卵する様子が見られた。これはエッグフードとして産んでいるのかも?と思って、さらにほっておいたら、結局オスがオタマをどこかに連れていってしまった。自然上陸はやっぱり無理があるようだ。
 仕事が忙しいこともあって、卵&オタマにかまっている時間が取れずにいたが、今後は少し気合いを入れてみようかと思う。



●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm(+18cm)
 収容している蛙:D.pumilio×1匹

 最近、実は仕事が本当に忙しくて矢毒はおろか、飼育生物の様子を良く観察できないでいる。特に矢毒に関しては照明をタイマーで作動させているため、朝方のほんの10分程度で全てのビバリウムに霧を吹き、餌を与えているので、個々体を観察している時間と言うのは本当に短い。
 腑甲斐ない話であるが、それが事実であるからしょうがない。
 プミリオに関しても、ちょっとビバリウムをのぞいて「お、また太ったな。よしよし……」と確認するぐらいである。
 まぁ、手をかけ過ぎて調子が悪くなるってこともあるかも知れないので、これはこれで良いのかも知れない……と、自分に言い訳。



●ケージサイズ:60cm×36cm×30cm(+18cm)
 収容している蛙:D.auratus×5匹

 瀬山さんに2匹いただいたので、ビバリウムの中を改修した。シェルターとブロメリアを少々増やした。これによって多少カエルたちは落ち着いたのか、良く姿を見せるようになってきた。
 しかしても、元からいる3匹は痩せている。総じて餌の量が少なすぎるのかも知れない。今後、飼育個体の増加にともなって、かなり大量のハエが必要になる。
 週末のコオロギも量を増やさねばならないだろう。……やはり、コオロギ養殖を始めなければならないだろうか???



●ケージサイズ:30cm規格水槽
 収容している蛙:チリアンステルツナ−ガエル×2匹

 デブ……。



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