飼育日誌 vol.04 [1998年5月6日〜5月30日]




改善された新居。


5月6日(水)
 GW最終日の昨日、サラマンダーのケージを新しくした。
 水ゴケを厚めにふんわりと敷き、枯れ葉をちらして雰囲気を出す。照明がよくないのでは?  とアドバイスを頂いたので、それならばいっそプラケで、とこのスタイルに踏み切った訳で ある。山ゴケ(リビングモス)を枯らしてしまうのは、あまりに勿体無いので取り出して矢毒 蛙のビバリウムに移そうかとも考えたが、雌が喜んで潜っているので、取り除くには忍びなく なり、そのままにすることにした。
 雄はここ2、3日の餌独占で、「ぷりっぷり」に太ってしまい、動くのも億劫そうだ。次回の 餌やリでは、雌だけを分けて与える事にしよう。
 今回のケージでは水場も広くなったので、出産も期待できると思う。そして、この夏を乗り 切れるかが勝敗の分かれ目であろうと考える。



山ゴケに潜っているのは雌です。どこかなぁ〜? おぉ、いたいた、こんにちは。

5月7日(木)
 プラケースは結構乾燥しやすく、昨日帰宅したら山ゴケが乾燥し、半分程のサイズに縮んで しまっていた。
 あわてて霧吹きし、ケージの半分程をラップで包んだ。雄は餌を捕る必要がないためか、シ ェルターから一歩も出てこない。
 雌はシェルターの上の山ゴケに潜って辺りを窺っている。もしかすると、餌を待っているの かもしれない。今夜あたりミミズを与え、もし拒食するようなら単独飼育に切り替えるつも りだ。



激ヤセの雌。


ポッテリの雄。

5月8日(金)
 今朝、雌が水場に浸かって糞をしていた。暑さにも次第に慣れてきたのか、昨日から少 しずつ回復しているようだ。昨夜遅くにミミズを一匹食べてくれたので、こちらとしても 安心した。雄はシェルターに引っ込んだまま姿を見せない。
 今週はミミズを捕らなくても済みそうである。



ミミズを食らう雌。後ろで雄が見ています。「いいなぁ〜」


この食い方を見よ!!

5月17日(日)
 今日はWild Skyにてコオロギを買い、サラマンダーに与えた。5月15日の夜中にミミズを 与えたのだが、ミミズが2匹しか捕れず、雄、雌とも一匹ずつしか食べていないのだ。
 買ってきたコオロギに早速ミネラオールをまぶし、サラマンダーに与える。
 ちょうど雌が水ゴケのいつもの場所に潜って顔だけを出していたので、ピンセットで鼻先に コオロギを持っていく。すると、今までの拒食が嘘のように食いつきがいい。
 まさに次から次へと「ぱくぱく」面白いように食べてくれた。
 体長をくずして以来、最高の食いだ。
 金曜日に見た時、雄はまだ太ったままだったので、そのまま20匹程のコオロギを食べるだけ 雌に与えた。
「いっぱい食って、元気になれよ。よかったな、食えるようになって」
 ……なんて和んでいたのもつかの間、その時、別の場所からひょっこりと雌が顔を出したのだ。
「?!」
 一瞬我が目を疑った。しかし、時既に遅し。私がせっせとコオロギを与えていたのは「雄」だ ったのだ。いつも雌がいる場所にいたものだから、てっきり雌だと思い込んで間違ってしまった のだ。まったくもってマヌケな話であるが、そのあと残ったコオロギを与えたら雌もそれなり に食ってくれたので、完全な拒食からは立ち直ったようである。
 しかし、もしかすると、拒食も確かにあったのかもしれないが、ミミズばかり与え続けた私が いけなかったのかもしれない。雄が底なしにミミズを食べるので、その比較をもって雌を拒食と 思い込んでいたのではないか? サラマンダーの餌はミミズだけでOKと思い込んだのがそもそも の間違いだったように思う。まず、餌のバリエーションを増やす事を考えなければいけなかった のだ。この点については充分に反省し、思い知ったつもりである。


水場の二匹。


雌にやるはずのミミズを雄に奪われる。いじきたないヤツめ。

 二匹とも相変わらず水場で糞をしている。決まったところに糞をしてくれるので管理はしやす いのだが、河村さんから、体内の水分が少なく、乾燥しているのではないか? との指摘を受け た。そういった場合、両生類は水場に浸かって体内の水分量を調整するのだという。
 本来水にあまり入らないはずのファイアー・サラマンダーが頻繁に水に入るのは、なにか問題 があるのかもしれないのだ。
 しかし、サラマンダー自体の活性は高いように思われ(雌の食欲を除けば)、それほど深刻 な問題も生じていないので、しばらくは今のままのスタイルで飼育を続行してみようと思って いる。



カメラに気がつき隠れる雄。

5月20日(水)
 餌のバリエーションについても河村さんからアドバイスを頂き、特にブドウムシを薦められ た。
 ブドウムシとは釣り餌として売っている昆虫の幼虫だ。河村さんの話だと、蛹になり変態し て蛾になるらしいのだが、釣り餌としての商品名は「はちっこ」となっている。「蜂の子」と しておいた方が売れ行きが良いのだろうか?
 そんな私の疑問はさておき、さっそくブドウムシを与えてみた。最近はケージの蓋を開け、霧 吹きしてやるとサラマンダーがシェルターから出てくるようになったので、餌やリも食べてく れるのなら簡単である。
 まず、雄を落ち着かせるために先に2匹程食わせ、次に素早く雌に与えてみる。
 最初、その動きに興味をもって近づいてくるが、「フンフン」と鼻先で弄んだあと、結局食べ ずにシェルターに戻ってしまった。
 そうこうしているうちに雄が「トコトコ」寄ってきてしまい、横取りしようとするので、一 時的に別のケージに移してしまった。
 10分程時間をおいて、今度はシェルターの入り口辺りに、活きの良いブドウムシを一匹おい てみた。ブドウムシはミミズやコオロギと違い、床材である水ゴケに潜る事がないので、その 点でも良い餌である。
 さて、この置かれたブドウムシであるが、こいつが素晴らしい才能の持ち主で、魅惑的な激 しいダンス一発で、見事サラマンダーの雌を惹きよせたのだ。
「フンフン……パクっ!!」
 と、ほんの数秒で餌に食らい付く。
 こんなスピードで餌を口にする雌を、私は久しぶりに観察した。普段は、ミミズにしてもコ オロギにしても、相当注意深く鼻先で弄んでからでないと食べないのに。
 きっとこのブドウムシはブラジル人ダンサーの生まれ変わりに違いないと思い、そのダンス センスに深く感謝した。ありがとうダンシング・ブドウムシ。
 その後、雌がもう一匹のブドウムシを食べた時点でシェルターに戻ってしまったので、給餌 はここまでとすることにした。
 隣のケージからブドウムシの姿をみつけた雄が必死になってもがいている。その雄をもと のケージに戻すと、「のしのし」とシェルターに入っていってしまった。
 雌に恨み言でも言っているのだろうか?
「いいなぁ、お前だけよぉ……」
 囁きが聞こえるはずもなかったが。



ミズゴケの中から出てきたところ。

5月27日(水)
 ここ何日かサラマンダーの姿が見えない。シェルターの下で水ゴケに潜っているのだ。餌の 必要も今のところ心配なく、隠れっぱなしにさせている。
 これがスッポンの化石さんに聞いた落ち着いている状態なのだろうか?
 このあいだまでは朝晩姿を見かけたのだが、最近はまったく姿を見せず、時たまとんでもな い所から顔だけを覗かせているのが確認できるだけだ。
 糞も水場でしなくなった。
 急激にサラマンダーの何かが変化している。私は戸惑うばかりだ。



まだまだ痩せている雌。

5月29日(金)
 サラマンダーが見える所に移動してきた。今朝になったら、水場の脇のところから顔 を出している。どうやらそこにいるのは雄のようで、雌は、手前の方で、やはり水ゴケ に潜って顔だけを覗かせている。
 どうやら餌を待っているようで、わざわざ移動してきたらしい。
 水場に小さな糞を二つ確認。水を交換する。餌は明日だ。



雌の横顔。

5月30日(土)
 今日は爬虫類倶楽部に行ってきた。スッポンの化石さん、鶏冠さんとも会う約束をし、ウチ の衛生管理部長も含めて4人で楽しい時間を過ごした。
 爬虫類倶楽部には有尾類が結構たくさんおり、管理の仕方も今後の参考になった。ファイア ーの幼生が売っているのだが、変態後の餌やりが大変だと河村さんに後で教えて頂き、手を出 さなくて良かったと思っている。
 衛生部長が一目惚れしたこともあり、カリフォルニア・キングスネークを購入する事となっ た。いずれ蛇室(SNAKE ROOM)も公開できる事と思うので、興味のある方は楽しみにされたい。
 サラマンダーはケージのあちこちにお気に入りの穴を持っているようだ。そして日がな一 日好きな穴に潜って過ごしている。
 コオロギを与えても、穴から這い出てこず、ものぐさな事には口だけで補食しようとする。し ょうがなく、というか必要にかられて、彼らの口元までピンセットでコオロギを運ぶ。まった く、飼育者はペットたちの奴隷である。
 彼らが優雅な王様気分でいてくれるのなら、それでも一向に構わないのだが。……いや、むし ろそれをいつも願っているつもりではある。
 雌も体調を持ち直したようで、コオロギを与えるだけ食べてくれた。このまま夏に向けて、 どんどん太らせようと計画中である。時期的にもう出産はないらしいが、産卵場から捕獲され た雌であれば、産まない方がおかしいらしく、体内で幼生が吸収されてしまったのだろうか?  との疑問が持ち上がっている。両生類通である河村さんに解らない事が私に解るわけもなく、 今はただ飼育を続けるのみの状態である。



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