ヘビの飼育日誌 vol.13 [1999年9月28日〜10月6日]



9月28日(火)
 ポンチョとカプチーとカバヴーが脱皮だ。小さい連中ではノブとロッチーも脱皮に入った。
 みんなそれぞれに眼を白くしたり、水入れに浸かったり床材に潜ったりして身体の異変をやり過ごそうとしている。


 ジゴロはその後、元のプラケに戻されたが、どうあっても居心地が悪いらしく、逃げ出そうとして、鼻を丸めるほどケージに擦ってしまっていた。
 このままでは給餌もままならないと思い、床材をキッチンペーパーでなくウッドシェイブにかえてみた。するとあっという間に床材に潜り、落着きを取り戻したではないか。これには驚かされた。当たり前と言うか、基本なんだろうけど、ちょっと心がマヌケになっていた。配慮を欠いていたのだ。
 ジゴロが育ってしまったために使っていたシェルターが小さくなってしまったのだ。それでジゴロは落着きを失い、脱走を企てた。どこか落ち着ける場所を探して。
 ジゴロがウッドシェイブに潜り始めて30分、解凍法を変えて解凍したホッパーを与えたら、瞬間的に食いついてきた。
「おぉっ、よかったぁ〜……」なんて言いながら胸をなでおろし、今回はホッパー1匹しか解凍しなかったので、次は2匹与えようなどとぼんやり考えた。
 これでこのまま落着きを取り戻してくれて、頭の傷も脱皮で治ってくれるといいのだが。


 しろてんが相変わらず食べない。
 こいつも多分シェルターが欲しいのだろうと思う。
 そう、一連のデカい蛇拒食事件で気付いた事があった。お嬢は別にしたとして、ポンチョが食べるのに、ジゴロとしろてんが食べないと言うのは、結局シェルターがあるかないかの差なのではないかと。
 ポンチョのケージは狭いままのプラケで、しかもいつもポンチョのケージの上にはにこたんのケージがある。つまりポンチョにとってそこはそのままシェルターなのだ。
 しかしそれとは違い、広いケージに移されてしまったしろてんとジゴロは、シェルターがなくて落着きを失ってしまったのだ。
 大きくなってきたし、ダニが嫌だし、掃除が面倒だしと全てを簡略化して飼育しようとしていた私が間違いだったのだ。とにかくジゴロはなんとかうまくいきそうなので、今度はしろてんにいいシェルターを用意してやろう。


 フィフティの雄を「隊長」と名付けた事は前回報告したが、今度はハイパー75の雌の名前が決まったので記しておく。名前は「小町」。なんで小町なんて名前なのかと言えば、ハチクラへ行く道すがら、「太陽のKomachi Angel」を聞いていたからである。なんとも脈絡のない安易な名前だ。しかしこういった安易な名付け方のほうが後で恥ずかしくなかったりするものなのだ。
 さて、隊長と小町はいいとして、もう一匹は何と名付けたものか……。



9月29日(水)
 昨日の夜から今朝にかけて、我が家は脱皮ラッシュだった。
 まず昨日の夜ポンチョ(110cm)とカプチー(97cm)が脱ぎ、今朝はロッチー(54cm)とカバヴー(75cm)が脱いでいた。
 毎度毎度思う事だが、脱ぎたてのポンチョはとても綺麗だ。まぁ、脱ぐ前に汚くなり過ぎると言うのもあるが。
 カプチーはまだ痩せているので、脱皮殻を計測してみて驚いた。まさか97cmもあるとは思っていなかったのだ。ハンドリングしていると感じる事だが体長に比べて凄く軽いので、もう少し太らせないといけない。
 カバヴーの体長は順当と言う感じがする。そろそろシシバナのMAXサイズだろう。カバヴーもやはり脱ぎたては美しく、体色はオリーブグリーンに近い色になる。
 ロッチーは今回の脱皮で随分大きくなった。そしてやはり脱ぎたての色は素晴らしく、特に赤と白のコントラストが美しい。ノブも脱皮に入っているので、早く脱皮殻を測ってみたい。はたしてロッチーにどれだけ近づいたか。


 しろてんの拒食を改善するためにも蛇ケージを作らなくてはならない。今度の日曜日あたりに作ろうか……。
 同じくジゴロにも大きなケージが必要だ。先日プラケに移してから、一時はウッドシェイブで落ち着いたように見えたものの、やはり外に出ようとしてもがいている事が多い。小さい蛇ならそれでもなんて事はないのだが、大きくなってくると黙ってみていられなくなる。なにしろ力があるので鼻を擦ってしまって大変な事になるのだ。
 ジゴロも鼻をかなり擦ってしまっている。かなりヤバい状態だ。



9月30日(木)
 昨日の夜、小さい連中に給餌した。
 その時ついに、たま子が冷凍餌を食ってくれた。最初は食べないような感じだったが、首のあたりに「ピタピタ」させると、くるっと振り返って噛み付いてきた。
 ちょっと嬉しかった。しかし本来こうであって欲しいものだとも思う。
 たま子の後に隊長と小町に給餌。こちらはまるで問題なく食らい付いてくる。ハイパー75の雄も問題なく食ってくれた。しかしこの時、隊長に与えたピンクマウスが大きすぎて、どうにも飲み込めそうもない状況になってしまった。しばらく様子を観察したが、やはり飲めそうにもないので、マウスの四肢を切断し、最終的には下半身を切り落とした。
 体長を計測してないため目測で蛇の大きさを掴んでいたつもりだったが、大きさを見誤っていたらしい。もしかするとハイパーセンテージの模様よりも、バンデッドの模様の方が、物体を大きく見せるのかも知れない。
 ハサミを使っているあいだ、何かが近づいてきたと悟った隊長がマウスをくわえたまま興奮状態になった。身をくねらせ、ハサミを近付けさせないように抵抗するのだ。それでもなんとか、くねる隊長の身体をかいくぐりつつマウスの身体を切断すると、半身になったマウスを隊長はなんとか飲み込んでくれた。次回はもう少し小さい餌にしよう。
 そしてピーチであるが、こいつがやはり冷凍餌を食べない。もうしばらくのあいだは生き餌を与えなくてはならないだろう。


 あけた翌日の今朝になると、ロッチーに遅れてノブが脱皮していた。さっそくサイズを計測すると、体長は47cmであった。なんと7cmもサイズが違ってしまっている。



10月6日(水)
 日曜日(10/3)にお嬢をプラケに戻し、衣装ケースの使用を止めた。理由は「逃げ出す」からだ。土曜日には瀬山さんと河内さん、関根さんが我が家を訪れ、蛇やカエルなどを見ていってくれた。
 瀬山さんと河内さんは蛇にはあまり興味がないようだった。関根さんは我が飼育部屋に入るなり、シシバナを見たいと言い出した。なんでも今、結構欲しい蛇なのでそうである。2年まって下されば、多分、我が家でブリーディングできてると思いますので、お待ちください。
 サイエリピーチも見ていただいたが、さほど「良い」とは思われなかったようだ。まぁ、この色は好みが別れるところかも知れない。実は、部長もハチクラの店長も「こっちがイイ」と言っていたピーチより、私はマリオの方が好みだったりしているのだから。
 カリキンばかり増えたこの我が家の事情にも関根さんは笑っていた。確かになんでこんなにカリキンばかり多いのか私にも解らない。あえて理由をあげるならば「好みだった」ということだろうか。特に、ハイパー75のペアを買った経緯について話した時にはさすがの関根さんも苦笑されていた。まぁ、私自身も苦笑してしまうような事実であるから本望と言ったところだ。


 最近、去年買った連中の餌食いがすこぶる悪い。なぜだか解らない。お嬢とカバヴー以外、全員食べない。「ばかなぁ〜……」と柳生十兵衛のような雄叫びをあげたくなるぐらい食べない。
 そんなこんなで最近は毎回マウスがあまってしまう。なぜ食べ無いのか色々考え、解凍法を変えたりしたがはやり食い気は戻らない。
 もしかしたらケージ内にシェルターがないのが原因かも知れないので、今後も食べないようならウッドシェイブを入れようと考えている。


 お嬢のプラケと一緒に、隊長と小町のプラケも買ってきた。これは今まで使っていたアイリスのフラット型プラケよりもすこし大きいサイズのニッソーのプラケだ。
 隊長、小町、ハイパー75♂、たま子のカリキン幼体4人(匹)集はまるで落着きがないので、デカいプラケに巣箱のシェルターという去年のやり方に切り替えていこうと思っている。
 隊長と小町はこの方式で多少落着きを見せはじめた。
 現在我が家にいるキングスネーク達を総体的に見ると、幼体時にはシェルターが必要で、そこから亜成体まではイケイケでなんにもしなくても食い、やがて成体サイズに近づくと多少餌食いが鈍り、なんとなく意固地と言うか頑固な印象を持つようになる。……と、今の私は思っている。
 なんにしてもデカい連中には年末の冬眠に向けて餌食いを回復してもらいたいと願うところだ。


 先日、活Sピンクしか食べないピーチの為にハチクラへ行ったら、運悪く売り切れだったので、脚を伸ばしてマックスレプタイルに活ピンクを求めて行った。
 そこでまた、衝撃的な出会いが待っていようとは……。
 なんとベトナムビューティのCB幼体を見つけてしまったのだ。しかし、しかし、今の私には何もない。何もないどころかマイナス貯金ばかり膨らんでいるのだ。買えない、でも欲しい……。このあいだ死なせてしまったマンダリンラットスネークと同じくアジアの風情たっぷりのアジアンスネーク、これに酔わされないはずがない。しかもCB、そのうえいいサイズの幼体、さらには手が出ない値段でもない。ただ、今の私は手どころか出るのは吐息ばかりと言う状態なのだ。
 全ての縁には巡り合わせが重要だ。まさに、タイミングが悪かった。
 今の私には我慢するしかないが、また来年にでもこのベトナムビューティのCBと出会う事はできるだろう。マンダリンとベトナムビューティ、とりあえず今はまだ憧れの蛇と言う事にしておく。


 しかしてもピーチの奴にはこまったものだ。
 どうやっても冷凍餌に餌づかない。
 色々聞いて鼻の皮を剥いたりなんだりかんだりと手を尽くしたが結局食べなかった。唯一、活を食べるのが救いと言えば救いだが、これがなかなか手に入りにくかったりする。
 そのため、我が研究室では「アダルトマウスのペアを買ってピーチ用にブリーディングしようか?」という話すら持ち上がっている。本来のタイミングで言うと4日おきぐらいで給餌したいのだが、週2回もハチクラに行く訳にはいかない、となるとマウスを殖やすしかない、という結論に達するのだ。
 あぁ、ピーチめぇ……。



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