ヤドクガエルの飼育日誌 vol.06 [1999年3月10日〜3月17日]




仲が良いのか、悪いのか。

1999年3月17日(水)
 残ったマンテラと、姿の見えなかったプミリオが死んでしまった。
 残念でしょうがない。しかし、それは、準備もせずに衝動買いした私が全部悪いのだ。
 ステルツナーはすこぶる元気で、私の気持ちを支える大きな力になっている。この小さなヒキガエルはホントに愛らしい。飼育開始当初よりずっと餌食いが良くなり、ハエも嫌わずに食べてくれるようになった。
 2匹になってしまったプミリオのうち1匹が痩せてきている。前の個体とは違って毎朝姿は見えるのだが、いつか死骸を見ることになりそうで毎朝怖い思いをしている。




ほっぺの黄色が可愛い。

●ケージサイズ:90cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.leucomelas×4匹

 このあいだ初めて鳴いている姿を目撃した。真っ黒な鳴嚢を膨らませ、そこから空気を少しずつ振動させながら吐き出して声を出しているようである。
 ここ何日かは、人目があっても鳴くようになってきて、研究室に入る時にその鳴き声を聞くと、一方では音色の美しさから心が和み、一方では「繁殖」の二文字がちらついて落ち着かない気分になる。
 しかし、かなり前から鳴いている割には、産卵の気配が感じられない。しかも、鳴いている雄は、特定の相手に向けて鳴いているのではなく、ブロメリアの葉の上で不特定多数の相手に向けて鳴いているようなのだ。
 こうなってくると、このビバリウム内で飼育している4匹の中に雌がいないのではないか?との疑問がわいてくるが、真偽は定かでない。




こちらを見ているのは雄。

●ケージサイズ:45cm×45cm×45cm
 収容している蛙:D.ventrimaculatus×2匹

 一昨日、雌を見かけて一安心している。彼女のお気に入りは、向かって左奥に植えてあるアンプラセアの葉腋で、どうやらいつもそこにいるようである。
 雄は時々そのアンプラセアの側に行って雌の様子をうかがっているようだが、私が見ている限り鳴いている様子はない。というかこの雄が鳴いているのを、私は最初の産卵以来見かけていない。
 別に鳴かなくても産卵がうまくゆくならそれでもいいが、鳴かない雄を見ていると、なにか私のやっていることに足りない部分があるのでは?と、不安になりもする。
 去年の今頃は、今の雌がオタマになり、彼女の行動・成長に一喜一憂していたものであった。その点からいっても今年の矢毒飼育は去年よりうまくいっていないとも言える。
 はやく、オタマの世話がしたいと思う今日このごろであった。




なん匹生き残るのか……。

●ケージサイズ:45cm×30cm×28cm(+18cm)
 収容している蛙:D.pumilio×3匹

 結局姿が見えなかった1匹は死亡していた。それを発見した朝、「やった、いたっ!!」っと、私を勘違いさせるくらい死にたての死骸だった。
 体色は、むしろ普通に生きていた時より赤が鮮やかで、濡れて輝いていた。死骸を取り出すと、背中と脇腹に死んだハエがついている。いままで蛙が死んだ中で、身体に死んだハエがついていたということはなかったので、死骸に惹かれて近づいたハエがプミリオの毒にやられたのだと思う。
 ティッシュに包んでゴミ箱に捨てたのだが、後になって思えば、プミリオの毒について実験してみるチャンスだったと後悔した。まぁ、もう、その時には遅かったのだが。
 残る2匹のうち1匹がかなり痩せてきてしまったので、その個体がも死亡したなら、プミリオトキシンの実験をしてみようと考えている。
 別の1匹は、痩せの方とは対照的なほど健康的に太り、安心させてくれる。なんとか、この1匹だけでも元気に育ってくれればなどとは、やはり志が低すぎるだろうか???



●ケージサイズ:60cm×36cm×30cm(+18cm)
 収容している蛙:D.auratus×4匹、Mantera sp.

 マンテラは移した日からしばらくのあいだ姿を見せず、やっと姿を見せたと思ったらもう虫の息であった。しかし、悲しいかな、姿を表した翌々日の朝、彼はその場から離れること無く絶命した。私には全く打つ手がなかった。
 推察されたケンカでもなく、ビバリウム内の原因でもなく、おそらく病気でもない。もし病気であればオーラタスに感染しているだろうから。それに、ショップで1ヶ月も売れ残っていたのだから、病気であればもっと早くに調子を崩して、ヘロヘロになっているはずだ。
 今日、改めて、我が研究室にマンテラが到着した時の写真を見ると、プリプリに太っていて、実に瑞々しい。そして、なぜ死んでしまったのかという悔しさが込み上げてくる。
 ぜひ、次回入荷があったなら、今度は万全の準備をしてから彼らの飼育に再度挑戦しようと思う。
 オーラタスの方は、やっとビバリウムに慣れたのか姿を見せるようになってきた。餌を与えると「ヒョイ、ヒョイ」って感じであらわれる。
 しかし、1匹だけ虐められているのか、それとも完全にシェルターが足りないのか、水槽のフチと蓋のあいだに隠れている個体がいる。特に痩せてきているようでもないのでほっておいているが、いずれビバリウムを改修してシェルターを増やし、彼も安心して隠れられるようにしてあげようと思う。




2匹で同じ方を向く。……なぜ???

●ケージサイズ:30cm規格水槽
 収容している蛙:M.noelensis×2匹

 今一番面白いのがこの小さなヒキガエルである。
 なにしろ、手放しにカワイイ。そしてとにかく面白い。とくにその動きの滑稽さは癒しの力を持っている。
 この蛙、別名でリメインズムカシヒキガエルという名前を持っているらしい。リメインズとは、はて、どんな意味であろうか???
 辞書でひいてみると、remain:残る、残存する(新英和中辞書:研究社)とある。おぉっ?! 人名かと思ったら、どうやら違うようではないか。生き残りのムカシヒキガエルといったところであろうか。
 河村さんに聞いてみると、確かに古い形質を持つ蛙なのだそうだ。
 しかし、餌食いも良く、バカっぽい動きもかなり愛されるキャラクターとしての素質を持っているように思う。この蛙のどこが昔っぽいのか、私には解らない。
 今はケージがオビトカゲモドキからの流用なので今一つ観賞上パッとしないのだが、いずれはきちんと見られるケージにするつもりである。
 餌はやはりハエよりコオロギが好みのようで、身体に対してかなり大きなコオロギを食べることができ、これには驚かされる。
 その食いっぷり、動きが、WildSkyで見せてもらったロココヒキガエルにだぶって見え、こいつらを観察していると、大型のヒキガエルが欲しくなって、少々、自分自身困っているところだ。



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