ヤドクガエルの飼育日誌 vol.18 [1999年10月25日〜11月16日]



オタマ飼育水槽。


10月25日(月)
 衛生管理部長と相談した結果、レウコの個体数を増やす事が最優先ということになり、10月22日の金曜日、お互いに仕事が終ってからWSに集合し、レウコメラスを2匹購入した。
 その日のWSは少し混んでいたのだが、そんなことはおかまいなしに、私と部長は床に座り込み、下ろしてもらったケースの中から全てのレウコをプラケに入れて、一匹ずつ見比べて選んでいった。
 目を凝らしてしつこいぐらい見比べていると、同じ体格をしている個体同士でも指先のパッドの大きさが違う事が解る。となると「ハテ? レウコの雌雄見分け方はフィンガーパッドだったっけ?」との疑問もわいてくるが、ほかに頼る術の無い私たちは、一縷の望みを賭けてフィンガーパッドの小さい個体を2匹選んだのであった。
 これらの個体は玉水さんのブリーディング個体で、今年の5月に生まれたものだと言う。5月生まれと言う事は7月に上陸し、それから3カ月経っている訳である。となると雌だったとしても産卵を開始するのは来年の1月か2月頃だろうか。
 今後、カツカツの予算決議案を実行する事になりそうなので、年末までにはアングルを2つ追加し、6匹になったレウコ達は90cm横置きビバリウムに戻る事になるだろう。その90cmセットの際には今のオーラと同じくBHを多数設置し、来年に向けて今度こそ繁殖させようと思っている。


 生存が確認されたプミリオであるが、これが案外太っていて調子が良い。これには私も喚起させられた。こちらも年末までに90cm縦型ビバリウム計画を再始動・完成させ、そちらに移そうと思っている。いずれ予算に余裕ができれば、プミリオも個体数を増やして自然繁殖を狙おうと思っている。


 ベントリの雄はやはり調子が悪い。日によって痩せたり太ったりを繰り替えしている状態だ。なにが原因なのか解らない。
 そんな状態であるから、産卵など起きる分けも無いのだが、オーラタスの卵が順調なのを見ていると、どうやって取りだし可能な人工物に産卵させるか悩んでいるところだ。
 パングアナにおいても状況は好転せず、産卵は起きない。やはり雄では無いのか?
 ラマジィは完全に1匹がどこかに隠れてしまい姿が見えない。こちらも繁殖する様子は皆無だ。




オーラタスの卵。発生が進んでいる。


 新ビバリウムに移してすぐに産卵したオーラタスはほとんど姿を見せない。これが本来の彼らのスタイルなのだろうと解釈する事にした。
 卵はとても順調で、毎日観察をしていてとても楽しい。卵の記録は別につけているので、詳しい状況を知りたい方は、申し訳ないが公開までしばらく待たれたい。


 オーラタスのオタマは上陸寸前だ。一匹は尻尾が縮んできたので、プラケに分け、いつでも上陸できるようにセットした。
 他の三匹も順に上陸するであろう。
 同じ水槽の中でベントリのオタマだけが姿を見せない。去年もそうだったが、隠れているのだろう。やはりオタマの時から、オーラタスより隠れる性質があるのだろうと思う。




上陸したオーラタスの子ガエル。



緑の部分が多い個体。


10月26日(火)
 昨日の夜、オーラタスの最初のオタマがカエルになった。めでたい事だ。そして今朝になって、オタマ水槽を覗くと、別の一匹が尻尾を短くして上陸寸前だったので、急遽プラケをセットしてそちらに移した。するとそのまま上陸してしまい、昨日と続けて2匹目の上陸となった。
 昨日上陸した個体には一応ハエを与えておいたがまだ食べる様子はない。こちらの個体は背中の緑の部分がとても広く「フルグリーン」とまで呼びたくなるぐらいである。大きくなってもこのままだったらかなり綺麗な個体になるだろう。
 もう一匹の模様も特徴的で、こちらは背中の真ん中で左右開きの扉を押し開くような感じの模様になっている。
 残るオタマはオーラタスが2匹にベントリが1匹であるが。オーラタスはともかく、ベントリの育ちが悪い。なんとか頑張って欲しいものであるが。


 我が研究室はまたハエ不足になってしまった。
 たまたまちょっと仕込みをサボっていたのと、サボる寸前の瓶が天気が良い日に窓際にあったものだから熱によって死滅してしまったのだ。サボった上に死滅。これにより、今週一週間はまるでハエがない状態になってしまい、またしてもハエを買いに行かねばならない。
 こんなことで散財している場合じゃないのに……。




ヤシガラ土のくぼみに隠れている。


10月27日(木)
 上陸した子ガエルの内、最初の1匹はどうやらハエを食べられるようである。昨日帰宅すると、ぷっくり太っていた。もう1匹はまだ陸上生活に慣れないのか、餌は食べない。なんとかうまく補食を開始して育って欲しいものである。
 まだオタマである2匹のオーラタスは、それぞれ成長の度合いに差があり、1匹は今日明日にでも上陸できるだろう。のこった1匹はまだ前脚が生えたばかりで、身体も黒い。
 そんな彼らを見ていて、オーラタスなどでは、模様の出具合が上陸の目安にもなるのではないかと思いついた。背中の緑色が鮮やかになってくると、そろそろ上陸と言うことである。
 ベントリのオタマはまだ前脚も生えていない。いい加減遅すぎるので、なにか障害があるのかも? と、心配しているところだ。



11月1日(月)
 先週の土曜日10/30に、河村さんの家に遊びに行った。途中、道が混んでいて予定時間を大幅に過ぎてしまい、河村さんには悪いことをしてしまった。
 河村さんの飼育部屋はいつも綺麗に片付けられていて、まずそこが凄い。我が研究室は衛生管理部長の活躍によってまだある程度片付けられているが、河村さんはこれを一人で管理されているのだから、やはり凄いと思う。
 前回来た時には住人のいなかったケースにそれぞれ、プミリオとマンテラが入っていた。特にマンテラは太っていてとても可愛かった。私もいつかは手元に置きたいカエルである。
 ファンタの姿は相変わらず拝むことができなかった。そのファンタのとなりのビバリウムにはバリアビリスとラマジィが入っている。バリの姿は見えないが、ラマジィの方は呑気に姿を現してくれた。
 しかしなにより驚いたのはその大きさだ。我が家のラマジィよりかなりデカい。相談した結果、もし我が家の2匹が両方ともオスであったら、1匹ずつ交換しようと言うことになった。
 「それならば……」と私は「ラマジィ雌雄判別計画」をたてた。それにはまず、ベントリのオスに元気になってもらわなくてはならない。
 ベントリのオスが元気になったら、ラマジィをベントリのケージに入れてみるのだ。喧嘩したり、鳴きあったりするところを確認できれば、その個体はオスであるということだろう。まぁ、それほど簡単に行けば苦労はしないが。


 レウコは相変わらず鳴かない。早めに大きなビバリウムに戻し、もう少し乾燥気味の環境で飼育してみようと思う。
 ガラとビコもなんだか調子が悪そうにしているので、これらも早めに状況改善しなくてはならない。今週は水曜日が休みなので、その日にアングルを購入し、また色々とイジってみようと思う。


 昨日の夜、レインドロップシステムを試作段階まで戻し、さらに改良した。最終的には噴霧器をセットすることになるかも知れないが、何と言っても予算がない。ので、このレインドロップシステムを何としても立ち上げなくてはならないのだ。
 フィルターを設置した溜め水水槽をアングル最上段から撤去し、各ビバリウムに繋いであるチューブをそこから外した。
 アングルの縦の骨組みに一本横棒を追加し、そこにビニタイでペットボトルを固定する。ペットボトルは逆さにセットされ、キャップ部にはエアチューブ用のジョイントがあり、底部は水を注げるように切り取ってある。
 ペットボトルのジョイントにビバリウムから伸びているチューブを繋ぎ、逆さを向いたペットボトルの底から、水を注ぐと、チョロチョロと良い感じでビバリウムに雨が降り注いだ。
 多少、降雨パイプの位置を微調整しなくてはならないが、大筋のところは完成したと言ってもいいだろう。この半自動レインドロップシステムは順次セット予定である。



3匹目の上陸。


 上陸しそうだったオタマも上陸を果たし、残るはオーラタス1匹にベントリ1匹。こいつら、いつまで水の中にいるつもりなのか。



11月8日(月)
 最後のオーラタスとベントリがSLSというか、前脚の形成異常になってしまった。SLSは前脚が捩じれるようになるというのだが、うちのはただ細いだけで捩じれてはいない。その上、SLSについては親の栄養状態が問題のようだが、今回の2匹についてはオタマ後期の栄養状態(餌の量)が悪かったように思う。


最後のオーラタスはSLS、そしてベントリも……。


 両腕は生えているものの、糸のように細い。ベントリは未上陸なので、生活できるか不安である。オーラタスの方はなんとか上陸後も生活できているようである。今後成長して体が重くなってきたらどうなるか解らないが。


 一昨日の土曜日、急遽と言う形でオフ会があった。集ったメンバーは、関根さんとしーなさんご夫婦、NUANCEさんとNUANCEのユキさん、さらに我々の計7名であった。
 当日は北松戸のカプアスに集合し、そのまま北松戸での飲み会となった。しーなさんご夫婦とは初対面だったが、同じ地元の人間であった上に同じ高校を卒業した同士であったので、やたらと話が合ってしまった。
 11時過ぎまで居酒屋で盛り上がり、12時近くになって我が家へ移動した。NUANCEさんとNUANCEのユキさんのお二人は、ここで帰られ、関根さんとしーなさんご夫婦は我が家へ。
 その後、夜中の3時近くまで我が家で盛り上がったが、なんか私は良い調子でインコの話ばかりしてしまい、しーなさんご夫婦にはつまらない思いをさせてしまったかも知れない。
 当日はプミリオが調子良く姿を見せており、関根さんには喜んでいただいた。
 この日にレウコの子ガエルを見てもらうことができたら、どんなによかった事か。



11月10日(水)
 昨日の夜に、元はベントリが入っていた45×45をセットし直した。本当は土を全て取り出そうかと思っていたが、微生物が沢山いたのでやめた。
 一度ケース内の植物を全て取り出し、コルクとシェルターを入れ、庭からブロメリアを取ってきて植える。ざっと1時間ほどの作業である。
 内部のリセットはこれでいいのだが、設備の部分は新しくしないと駄目だ。というのも扉部分にガタがきていて、開け閉めに不便なのと、完全にしまらずにハエが逃げてしまうのが問題なのである。
 この扉用のアクリルを新しいものに取り付け直してから、このビバリウムにはビコロールを入れる予定である。




扉部分を改良。


11月16日(火)
 一昨日の日曜日に、45×45の改造を終らせた。
 前扉部分の下部1/3をアクリル板で固定式にし、ハエの逃げ出し防止と扉部分のアクリル板サイズを下げることによる反りの防止を狙った改造だ。
 接着剤の匂いがとれるまではちょっと心配なので、まだカエルは入れていない。
 当日は、加藤攻武天(こうむてん)の鶏冠親方とフウタさんが我が家にきており、前日からの蛇ケージ製作作業が終った後であった。
 鶏冠さんは私がアクリル板をPカッターで切るのを見て「そんなもの(カッター)で、そんなに簡単に切れるとは思ってもみなかった」と驚いていた。
 私は得意になって「こんなの簡単だよ」と鶏冠さんの目の前でアクリル切断を実演したが、一通り切り終わって「ふふん、どうだ!」と勇んで振り返ると、見ているはずの鶏冠さんが死んだように眠っていたのでガクっときた。人生なんてこんなもんだ。
 今回は扉のサイズもきちっといったし、かなりハエの逃げ出しを防止できるのではないかと踏んでいる。


 ラマジィの姿が見えない。いつも1匹しか見えないのだ。かなり心配である。
 パングアナはいつも同じブロメリアの葉の中に入っているが、産卵はしていないようだ。なんなんだ、お前らっ!!
 痩せてきてしまい心配していたベントリだが、こちらも姿が見えない。どこかでぷりぷりになってくれていることを祈るばかりだ。
 変わって、姿を良く見せるようになってきたのがプミリオだ。凄く太っていて自慢の個体だが、こうも姿が見え過ぎると「なにかビバリウム内に気に入らないものでも???」と逆に心配になってくる。……人間って勝手だ。



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