飼育日誌 vol.04 [1998年11月30日〜12月8日]
神経のズ太さが身体にも出ている。
11月30日(日)
飼育開始から早くも3ヶ月が過ぎた。当初はあんなに小さく弱々しかった蛙たちも、今では随分ふてぶてしくなってきた。この調子でいけば本当に来年の春から夏に向けて繁殖も期待できそうである。
しかし、10年も生きると言うヤドクガエル達が、生まれてから1年で性成熟し繁殖可能な身体になるというのは、やはり凄い事だと思う。人間で言えば、人生の9/10を子供が産める状態で暮らすと言う事になる。これは、彼らが毒を持っているという事からも言えるが、それだけ現地では生き残る事が大変なのだと言う事なのだろう。
ビバリウム自体は、今までの中で一番調子が良く、設置当初にシンゴニウムとプミラと苔が、蛍光灯の熱による乾燥で枯れた以外は順調である。ただ、ネオレゲリアは蛙たちの公衆トイレと化しており、これまたふてぶてしい巨大な糞が、葉のうえに所せましと並べられている。……もちろん、掃除をサボっている私が悪いのだが。
D.leuco.の糞は葉の上に多く、D.ventri.のは水槽ガラス面に多かった。これをもって、地上棲種と樹上棲種の性質的差異とするのは乱暴かと思われるが、はたしてどうだろう? まだ私はその解答に辿りつけないでいる。樹上棲種がアナナスの葉をあまり汚さないようにしているなんて考えは、多分ロマンチストに過ぎるだろう。
最近、ハエの瓶代をケチって市販のジュースの瓶をハエ培養に使用した。しかし、蓋の素材が悪かったのか蒸れが酷くていっこうにハエがわかず、とても困っている。所帯が大きくなってきたので、今回のハエ不足は深刻である。なんとか今日、コオロギを買いにいけるといいのだが。
引っ越しに際して、 D.leuco.のビバリウムは90×45×45cm水槽を改造して使う予定である。今回で、通算5度目のビバリウムセットであるが、はたして満足のいくものができるかどうか……?
今、そのD.leuco.を入れる予定のビバリウムに、土が肥えるかもしれないと言う目算の元に、ヤスデを入れようか悩んでいる。しかし、何より植物を食べられてしまってはしょうがないし、蛙とうまくいくのかどうかも一種の賭けであるから躊躇はしている。そしてその上、入れたら最後、このヤスデと二度と出会えないような気がして……。
「おいでやす。」
12月8日(火)
D.leuco.用の90cmアクリル水槽の改造が、9割方終った。熱帯魚の水槽設置と並行してやっているため、なかなかハードではあったが、なんとか今週中には完成しそうである。
このアクリル製90cm水槽、今から10年近く前に海水魚用オーバーフロー水槽に使っていたものである。長い間、庭先にほっぽり出してあったものを洗って改造しているのだが歪みがひどくなかなか採寸した通りにいかない。簡単に言うと、右側が5cm、左側が6cmみたいなことが、平気で起きているのだ。まぁ、つくっている部品もそんなに精密ではないので、それなりには出来上がりそうではあるが。
今回の改造は、換気に気をつけたのとハエの脱走を防ぐ事に重点を置いた改造にしてみた。セット時にはエアーリフト式の底面濾過を2基と、水中ポンプ式の底面フィルターをつけようと思っている。園芸用軽石を加工して、滝みたいなものをその水中ポンプで作れたら、と考えているのである。このケージ改造と、ビバリウムセットの模様は後日詳しく紹介したいと思う。
D.leuco.に関しては問題無く元気に暮らしている。先週困っていたハエもなんとか殖え始め、そのあとになって爆発的に殖えた。これには驚かされ、改めて大型瓶の威力を思い知った次第である。蓋のスポンジさえ改良できれば、結構使えるだろう。
このあとの飼育日誌は、[ヤドクガエルの飼育日誌vol.01]に続きます。
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