飼育日誌 vol.05 [1998年3月2日〜3月30日]




ミイラ化した雄ガエル

3月2日(月)
 なんたるバカ! あぁバカ!!

 雄ガエルが死んでしまった。

 もうバカ!!! 死んでも直らないバカ!!!!!
 雄ガエルがビバリウムから脱走してしまったのだ。帰宅した時には、もうカラッカラに ひからびていた。
 ミイラ化した蛙に出迎えられた私は、いったいなんと答えればよいのか?
「うそだろぉ……」とつぶやくのが精一杯で、気が遠くなりさえした。
 あぁ……この盖、気になってはいたんだ。ビバリウム設置当初から。だのに直さなかった私 のミス。言い逃れのできない人災なのだ。
 今日はこれ以上書く気力がない。


3月3日(火)
 雌ガエルは朝夕ともに真ん中のアナナスの葉腋にいた。ちょうどこの前産卵した場所だ。
 雄が選んだ場所を雌が気に入ったのか、雌が気に入りそうな場所を雄が選んでいたのか、 口の利けない彼らに問うても応えはないが、そういうドラマチックな習性が、恋の駆け引き みたいなものの最も単純な部分が、この小さな蛙たちにあっても面白いのではないだろうか。
 雌はとても寂しそうだ。
 オタマはとりあえず順調のようだ。体長は17mm。お腹がパンパンにはっている。猛烈な勢い でクロレラを食べているらしく。プラケースにこびりついたクロレラがオタマの食べた部分だけ、 白い道のように浮き上がって見える。このまま順調に育ってくれれば良いが、蛙になった時の餌の めどがたっていない。トビムシ(らしき虫)をこの前から殖やそうとしているのだが、全然増殖す る気配がない。
 目の前の水槽のフチには嫌というほどいるのに。


3月8日(日)
 雌ガエルは元気に過ごしている。新しい雄は未だにみつからないが、雌は準備万端といった 風だ。お腹が膨らんで凄く太っている。餌もバンバン食べている。2匹いた時と同じ量のハエを 入れているが、ほとんど食べ尽くしている。ハエの発生が遅れているので、結構不安になってきた。
 D.pumilio D.reticulatus D.lehmanniの3種が飼育してみたいのだが、どの種も入手が困難なよう だ。特にD.lehmanniはほとんど望みがないということ。ここは初志貫徹で夏までになんとか D.pumilioの飼育を開始したいと思っている。
 オタマはクロレラを食べて順調に育っている。2週間で21mmまで育つというのは、どれぐらいの 具合なのか? それすら分からない。まぁ、順調という事にしておこう。前記した海水魚用の添加 剤をオタマの飼育水に規定量添加している。実験というほどの事はないが(それにしては1固体し かいないのでデータにならない)結果を待たれたい。
 餌はクロレラしか与えていない。毎日モリモリ食っている。


3月14日(土)
 今日、雌が脱皮をしていた。雄が生きている頃にも何度か見かけたが、雌が脱皮しているのは 初めて見た。雄が死んでしまってから私がビバリウム内をゴソゴソいじるので、そのためのストレ スで脱皮をしたのだろうか? 今度JFROG NETで訊いてみようと思う。

3月20日(金)
 脱皮について解答をいただいた。矢毒蛙はやはりストレスによって脱皮をするらしい。それは環 境が良くない証拠だそうだ。しかし、私の所は、多分私がビバリウムをいじりまわしたせいだろ う。もうしばらくは様子を見てみようと思う。
 最近はPOISON-ARROW FROGSの翻訳とこのHOME PAGE開設の為にとても忙しい。翻訳の方はほとん どJFROG NETの翻訳に参加してくれている人たちがやっている状態で、自分の分は全然進んでい ない。言い出しっぺなのに恥ずかしい。
 蛙は1匹のままだが、観察する時間があまりとれない。朝はアナナスの葉の奥に隠れているし、 夜はもうほとんど寝ているようで動かない。大丈夫なのだろうか? 調子を見られないので心配だ。
 オタマの体長は25mmになった。単純に長さでいうと随分成長の速度がおそくなってきたように聞こ えるが、体つきが変わってきているので、きっと骨格などが形成されつつあるのだろう。近づいて 見ていると、はりぼてのように見えてくる。内側から押されて膨らんでいるのだ。前脚が生えるて くるであろう位置に白い固まりが透けて見える。準備されつつあるのだろうか?
 あと、体色が変化し始めた。ずいぶん前から黒ではなく、ツヤツヤとした焦げ茶に体色が変化して いたが、昨晩頭部にうっすらと丸い模様を見せていたものが、今朝になったら背中の方にまで黄色の 筋が走っていた。まさにオタマから蛙になりつつあるのだ。こらからの変化が楽しみである。
 そういえば、なぜ蛙は変態するのだろうか? なんのためにオタマで生まれてくる必要があった のか? ヘビやトカゲより弱者であるはずの蛙が、幼生期をもっとひ弱なオタマジャクシで過ごす 事にどんな利点があるのか?
 私には解らない。謎は深い。


3月28日(土)
 オタマの模様がはっきりしてきた。頭の丸い模様と、眼から背中に抜けるラインがはっきりとし、 尾の付け根からは後ろ脚らしきものも生えてきた。緊張と興奮がないまぜになった感覚を覚える。こ の小さな生き物が、必死に生き、その過程で大きく身体の構造を変えようとしている。その全てが生 きるための術なのだ。頑張ってほしい。
 蛙の方は昼間は活発に動き回っており、餌も良く食べている。脱皮はあれ以来確認していない。
 ビバリウム内の地面いっぱいにひいた山苔が、光量不足で枯れてきてしまったので取り除かなく てはならない。
 それにしても早く婿を手に入れなければ。


3月30日(月)
 土曜日の夜にWild-Skyに行ってきた。どうもサソリに対しては皆一様に冷めた態度だ。
 矢毒の本を2冊購入した。もちろん洋書である。そのうちの1冊にあの「ワットレイ・ターコイズ」 のJack Wattley氏が載っていた。私が子供の頃から爺さんだったが、この写真も凄い。
 D.fantasticusの仔ガエルの写真が載っているのだが、その頭部の模様(星のような)がとても美 しい。実際に、いつの日にか自分の手で、こいつらを繁殖させる事ができたら、こんなにも美しい仔 ガエルを間近に見られるのかと、背筋に寒さを覚えた。……今のところ、全く導入の予定などないの だが。
 もうすぐWild-Skyに蛙が入る予定だそうで楽しみにしている。
 その入荷分にD.ventrimaculatasのRedがいるといいのだが。
 今は雌が元気なのだけが救いだ。
 オタマはだんだんと足らしい突起が伸び始めている。同時に前脚の部分も突っ張るように内側か ら押されているのが解る。
 その顔つきは「オレはもうカエルだぜ」と言わんばかりだ。




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