飼育日誌 vol.11 [1998年6月9日〜6月19日]




霧吹き後のビバリウム&雄ガエル。

6月9日(火)
 現在、ビバリウムには45cmのガラス製規格水槽を使用しているのだが、無加温で26度ほどの 温度である。夜には蛍光灯を消すのだが、朝になって蛍光灯をつける直前に温度を見てみて も、24度までしか下がっていないのだ。室内に熱帯魚の水槽などが多いため、これ以下には 下がらないようだ。下がらないだけならまだしも、きっと昼間の暑くなる時間には蛍光灯の 熱もあり、もっと温度が高くなっているように思う。
 それでもここ数日は涼しくなったため。蛙の調子も少しは上がったように思う。雄ガエル は朝から鳴いているし、雌ガエルも雄に近づいたりしている。
 子ガエルの扱いは、あの脱走以来やたらと慎重になり、プラケの蓋を全開にするなど怖く てできなくなってしまった。驚いたのは、プラケの蓋についている透明の小窓を開けただけ でも、そこから逃げようとすることだ。
 だから私は、あれから子ガエルにハエを与える際には、子ガエルの居場所を目視、確認し、 正確に把握してから与えるようにしている。そんなこんなで、朝の餌やりに滅茶苦茶時間が かかり観察どころでは無くなってしまった。
 しかし、次に逃げられたら「三度目の正直」というやつで、子ガエルは二度と私の元に 戻らないような気がするので、止むを得ずと言った所である。




こちらも雄ガエル。お腹はポテポテ。

6月11日(水)
 今日も雄ガエルが鳴いていた。雌ガエルもそばに来ていたので、案外と良い感じかも しれない。ただ、今日あたりから、また気温が上昇し始めたので、良く無い状態に戻っ てしまうような気もする。まぁ、良く無いと言っても、餌も食わないとか、グターっと 伸びちゃっているわけでも無いので、贅沢な心配ではあるのだが。
 子ガエルをプラケごと入れている元ビバリウムがあまりに悲惨な状態になってきたた め、週末には一度解体しようかと思っている。
 それと、そろそろ子ガエルを親と一緒のビバリウムに移して飼育しようかとも考えて いる。うまく、ペアリングの刺激になってくれればとも思うが、それは都合の良すぎる 考えだし、逆に親ガエルのどちらかにころされてしまうようなことがあっては、悔やん でも悔やみきれないので、移動は一日中ついていられる休日にしようと思う。




達者でな!!

6月14日(日)
 今日は子ガエルを親ガエルのいるビバリウムに移動した。ただ単に親のいる所に入れる だけなら簡単なのだが、子ガエル用プラケから子ガエルを出すのが大変だった。二度も痛 い目にあっているので知らず知らずのうちに手がこわばってしまうのだ。
 とてつもない精神的疲労を伴う作業であった。
 それでも、やっと思いでプラケから小さなカップに移し、記念に写真を撮って親ガエル のビバリウムに放す。
 すぐに雄ガエルが気付いて、威嚇のためにか鳴き始める。子ガエルは驚きと環境変化の ショックで茫然自失状態で微動だにしなかった。
 しかし、次の瞬間、それこそ瞬きをしていたら見のがしてしまいそうな程の一瞬で、子 ガエルは私の目につかない所に隠れてしまった。「頑張れよぉ〜」と田舎のおっかさんの ような気持ちで子ガエルを見送る。
 その後は観察を続けようにも、まったく隠れたまんまでどうしようも無く、一度出かけ て用事を済ませ帰宅したあとも状況は変わらなかった。雄ガエルも目の前に居ないのなら 追いかけてまで苛めるつもりは無いらしく、平常と同じ様子だ。
 最後になるが、子ガエルの俊敏さは驚嘆すべきものであり、飼育者にとっては恐怖以外 の何者でもない。子ガエルを飼育、もしくはこれから飼育なされる予定がある方は、この 点に留意し、常に注意を払って欲しい。




どうも、むこうにある水槽が気になるらしい……。「ねぇ、何アレ?」

6月15日(月)  雄ガエルがまた少し鳴いていた。しかし、以前程の激しさは感じられず、求愛までには いたっていないようだ。しかし、雄と雌が常に一緒にいるので、産卵に対し、何か一つ欠 けているのだろうと思うが、それが何なのか判断できていない。温度なのか、湿度なのか、 それとも別の何かなのか、私には解らない。考えつくのは上記二点ぐらいのものだ。それぐ らい前回は簡単に産卵してしまったわけである。そうすると、矢毒ガエルはペア性が強い のでは?という思いが涌いてくるが、それもまた想像に過ぎない。
 子ガエルの姿を、ちらほらと、それこそホンの瞬間的に見かけるが、人影を感じると隠れて しまうので、状態を見るどころでは無くなってしまっている。……トホホ(困)。
 また暑くなってきたので、温度・湿度のこともあり、クールファンを買ってきて取り付け ようかと思っている。



6月18日(木)
 子ガエルを移したはいいものの、ここ2、3日まったく姿が見えず心配だった。
 しかし今日、子ガエルの姿を発見し、ビバリウム内でのびのびと暮らすさまをゆっくり と観察できた。
 そして、私はとても驚かされた。
 久しぶりにじっくりと見ることのできた子ガエルは、物凄く太っていて、見違えるほど 逞しくなっていたのだ。どこかに隠れて餌もめったに捕れず、痩せこけていやしないかと 心配だったが、それらは全て憂慮と化し、あまつさえ、子ガエルへの侮り、侮辱であった のかもしれない。
 子ガエルは、私の思っているより以上にずっと成長していたのだ。
 その逞しくなった背中、そこに走る美しいオレンジのラインに見愡れ、深い感慨をおぼ える。
 ヤドクに憧れ、飼育を始めてから早くも5ヵ月が過ぎようとしている。この間に色々なこ とが起こり、色々な人たちと出会い、また色々な動物たちとも出会えた。その全てが、こ の小さくて逞しい背中に凝縮されているのだ。
 私が生活に追われ、煩雑な悩みに忙殺されているうちにも、この小さな生命は必死に生 き、生きることだけを望んで成長したのだ。
 そのあいだに、この私がいったいどれほど成長できただろうか。もう、彼の方がずっと 大人だったりするのかもしれない。もう「子ガエル」だなどとは、呼べないほどに。…… しかし、それでもはやり、私にとって彼は子ガエルなのだ。
 あれだけ、プラケから脱走を図っていた子ガエルではあったが、つまるところプラケの 環境が悪化していたのか、早く外に出たかったのだろうと思う。
 いま、子ガエルのそばには雌ガエルの姿も見える。はたして彼女は、逞しく育ったわが 子に気がついただろうか?




「ヒーリンググリーン」癒しがここにある。

6月19日(金)
 雄ガエルが鳴き続けている。雌ガエルは、雄ガエルのいる同じ葉に乗り、誘われるが ままに、葉腋に入ったりしているが、後から確認すると産卵はしていないようだった。やは り秋までは無理だろうか?
 そういえば、ビバリウム内のポトスが俄然元気だ。やたらめったら伸びて、蓋を持ち上 げてしまいそうなほどである。
 ついでに書いておけば、ハエの発生も好調で、ほっと息をついているところだ。




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