飼育日誌 vol.12 [1998年7月1日〜8月29日]




餌を探す雄ガエル。

7月1日(水)
 最近は蛙も調子が良い。やはり冷房をつけて温度がある程度一定に保たれているためで あろうか。
 雄は午前中と夕方に鳴き、雌は雄の求愛に反応している。相変わらず産卵には至らない が、秋になれば、うまくいくのではないか……との期待を抱かせてくれる。
 子ガエルも環境に慣れ、アナナスの葉に乗って気侭に暮らしている。色柄もいっそうく っきりとし、もうどこに出しても恥ずかしく無いVentrimaculatusになった。




アナナスに入る雌ガエル。


このアナナスは彼女のものらしい。

7月7日(火)
 7月4日(土)、5日(日)と見ていた限り、雄ガエルはよく鳴いている。この短い2日間で確認でき たと言うことは、きっと毎日昼間は鳴いているのだろう。その体力には恐れ入る。
 しかし、雌が乗り気ではないのか、産卵している様子はない。




ビバリウム最近の状態。……なんか、ボロい。


雄ガエル。


雄ガエルの背中。背中の形に、雄雌の特徴があるように感じる……。

7月18日(土)
 雄ガエルが今日も鳴いている。相変わらずネジを巻くような「ヂィー、ヂィー」という声だ。期 待が高まるのは人間ばかりで、雌は知らん振りをしているようだ。ヤル気あんのか?!




デジカメが近寄ると隠れる。

7月19日(日)
 今日も朝から雄ガエルは鳴いている。ほんとに頑張り屋だと思う。しかし、そんな彼の努力も空し く、雌に近づくと追っ払われたりしていた。……まさか、破局???



◆日々頑張る、岡田さんの雄ガエル◆















7月20日(月・祝)
 もしかしたら、ビバリウム内が不潔になってきたのかもしれない。しばらく様子を見て、蛙の状況 に変化がなく資金に余裕ができたら新しいビバリウムをセットしよう……かな(笑)?




餌を食べに行く雌ガエル。


雄ガエルと遭遇→すかさずモーションをかける雄ガエル→アレ、どこいくの?

7月29日(水)
 ここ何日か雨が続いている。そして少し涼しい。蛙の調子もよさそうだ。雄ガエルの鳴き声にも 一層力がこもっているように思う。
 外の雨に合せて霧吹きを多めにし、ビバリウムの中も雨が降ったようにしてみた。アナナスの 葉にペットボトルからチョロチョロと水を注ぐと、雌ガエルが嫌そうな顔をする。朝っぱらから の突然の人工スコールで子蛙は慌てていたが、そのあいだも雄ガエルは必死にアナナスの上で歌っ ていた。




相変わらずハンサムだなぁ、君は。


おぉ、仲良くなったのか?

7月30日(木)
 今日はついに、雄ガエルの誘いに雌ガエルが応じ、同じアナナスの葉腋に入っていた。私が観 察したのではないが、衛生管理部長から報告があったのだ。
 いやが上にも期待は盛り上がる。



8月1日(土)
 アナナスの葉腋に4個の卵を発見した!! ついに産卵したのだ。
 5月23日からはや2ヵ月と1週間、ついに念願かなったわけである。
 さすがに初回ほど取り乱すこともなく、今回はじっくりと考えることができた。「人工孵化」 にするのか、それとも「親任せ」にするのか?
 人工孵化にすれば、前回の経験もあるので高い確率で子ガエルに育てることもできるだろう。し かし、親任せにして、背中にオタマジャクシを背負わせることができれば、そのさまを観察し、 あまつさえ写真に撮って、この飼育日誌で発表することもできるではないか!!
 そんなこんなで、D.ventrimaculatusの子育て風景の日本公開は個人HPで「初」なのでは?と、 捕らぬタヌキの皮算用もいいところの勝手な盛り上がりを見せている。




産卵してもまだお腹はデップリとしている。

8月2日(日)
 今日も、雄ガエルは引き続き雌ガエルを口説いているようだ。
「がんばれ、雄ガエル!!」
 そして今日は、午後からハチクラへ行った。そこでバッタリ岡田さんに出会い、矢毒の話で盛り 上がった。これでやっと雄ガエルを貸して頂いた面目もたったと言う分けだ。
 同じハチクラに偶然、鼈の化石さんも現われ、蛇やムカデの話をしたが、私は自宅に仕事を残 していたため、早めに引き上げてしまった。
 家に帰るとJFROGNETの玉水さんと松園さんからメールが届いており、玉水さんから「オタマを 背中に乗せる所を観察してはどうか」とのアドバイスがあった。
 岡田さんとも話をして、色々考えたのだが、今回は親任せにしてみようと思う。



8月3日(月)朝
 朝、卵の様子を見る。
「無いっ?!」(夜に続く)



8月3日(月)夜
 急いで会社から戻り、よく見てみると卵はあった。しかし、一つしか無い。ポトスの葉の影 に隠れたアナナスの葉腋の中なので、しっかしと目視したわけでは無いが、どうも一つしか無 いように見える。
 とりあえずこのままにしておくが、もし他の場所にも産卵することがあったら、そちらは取 り出して人工孵化させることにしようと思う。
 JFROGNETの杉山さんからもアドバイスのメールが届いた。俄然ヤル気が出る。……しかし、 親任せにするのだから私にヤル気があっても何もすることが無い。




これが、立派になった仔ガエルだ!!

8月4日(火)
 やはり、今日になって見ても卵は一つしか無いように見える。しかもビバリウム内は微妙な位 置関係だ。卵のあるアナナスに雌ガエルと子ガエルがいて、雄ガエルは別のアナナスにいるの だ。
 一体なにがどうなっているのか……? う〜ん、解らない。




オタマを背負う雄ガエル。凛々しい……。
詳細は【D.ventrimaculatusの子育て】にて……

8月4日(火)夜
 なんと、夜になって霧吹きをしようとしたら、雄ガエルがオタマを背負っているのを発見!!
 思わず大興奮である。とにかく震える手でデジカメを握り、なんとか撮影。
 私は、その雄ガエルの勇姿を忘れることができないだろう。
 しかし、撮影終了まぎわにビバリウムの奥に逃げられ、雄ガエルを見失ってしまった。
 いくら張り付いているとはいえ、所詮背中に乗っかっているだけである。オタマを どこかで落としてしまわなければいいが……。
 おととい見つけた卵とは違う卵から孵化したのか、それともおととい見た卵は孵化寸前だっ たのか、今となってはちょっと解らないが、とにかくオタマは背負われ、4つほどあったはず の卵は無くなっていた。
 オタマを放してくれるようにと、薄く水をはったシャーレをビバリウム内に置いたが、果たし てうまく行くのかどうか?




何もいない、シャーレ……寂しい。

8月12日(水)
 その後、写真撮影の刺激のためか、それともどこか見えない所に放ってしまったのか、オタマ の姿は見えない。雄ガエルの背中を毎日期待の眼で見ても何も居ないのであった。
 一つだけ残っているように見えた卵も無くなってしまっている。(前回、無くなったと思った 卵が、次の日に見たら一つだけあった。ということは、雄ガエルが背負っていたのは、別の時 期に生まれた卵から孵化したのか?)
 8月末頃ビバリウムの大掃除&改修をしようと思う。その時、卵なりオタマなりが見つかれば 嬉しいのだが。




脱走されないよう、後ろ半分をラップする。

8月29日(土)
 今日は、岡田さんに借りていたventri.の雄ガエルをお返しする日だ。
 午前10:00時、雄ガエルをつれていくためにビバリウムの蓋を全開にし、逃げ出さないように 後ろ側にはラップで蓋をした。
 うまく雄ガエルをビバリウム手前に追い込むことができ、あっさり捕まえられた。苦い経験から、 すっかり心配性になった私は、他の蛙が逃げ出したりしていないかを よぉ〜く確認してから蓋を閉めた。
「……」
 ちょっと寂しい気分で雄ガエルを見つめる。
 プラカップの中でキョトキョトしているのが可愛い。「アレ? アレ?」といった表情だ。
 カップの中にウィローモスとポトスを入れておいたので、やがて雄ガエルは落ち着き、両手をつい てピンっと背中を真直ぐにした。その姿を見た時、雄ガエルに対する感謝の気持ちが溢れてくるの が分かった。……同時に岡田さんに対する感謝の気持ちも。


お長い間ご苦労様、元気でね、雄ガエル。

 岡田さん、長いあいだ一言の文句も無しに雄ガエルをお貸し頂き、本当にありがとうございました。私の力が 足りずに一匹の子ガエルも誕生させることはできませんでしたが、ヤドクガエルがオタマジャク シを背負う所を観察できるなど、とても有意義に過ごさせて頂きました。
 岡田さんが飼育されていた時より、痩せていたり、何か状態が悪くなっていたりしないように と気を付けて飼育したつもりです。
 雄ガエルも長期出張を終え、家に帰って、今はほっと一息ついていることでしょう。早く新し い雌とペアになってくれるといいですね。
「岡田さん、ありがとう。頑張ってくれた雄ガエル、ありがとう」




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